121 士爵
「まあ、翔くんにミディアさん、こういう事だから」
「いやいや、全く分からないのですが…」
「そうなのかい、翔くん。
簡単に言うと、辺境地というのは限られてくる。
国外追放なら、何処でもいいから行きなさいで済むけど、場所を選らばなければならない。
どうして此処にしたかと言うと、辺境地だし反乱を起こしたら、王都から直ぐ討伐隊が出せるけど、まずは反乱を起こさせないようにするにはどうしたらいいか、翔くんのいる場所が良いのではという意見で、ミディアの婚約者の翔くんがいるから反乱は起こさないだろうという事で決まった」
「僕と一緒に反乱起こすかも知れませんよ」
「それも考えたがメリットがない。
婚約者にラウサージュがいるから、反乱を起こさなくても国王になる可能性はある」
「例えば、ラウージャを暗殺して王権を無理やり奪うかも知れないよ」
「これでも見る目はあると思うけど…、翔くんを信頼しているから大丈夫」
そんなに信頼されてもと思ってしまう。
「あ、そうそう翔くん、あと今回の第1の功労者ということで、士爵の位が与えられるから、これで翔くんも貴族だな。
それと褒賞金が金貨300枚授与される。」
「僕が士爵…、金貨300枚」
「士爵って言っても、肩書きだけで何もする事ないと思うけど」
「話は終わったかな」
そう声をかけてきたのはセレナさんだった。
「今回の功労で、私は準男爵の肩書きとサンピースの街を貰ったけど、白銀騎士団の本部を王都に近いサンピースに移そうと思っているの、それでこのイルフルールを翔くんに任せようと思ってるの」
「僕がですか」
「ええ、私達の準男爵の次に位の高い翔くんがいいかなと思ってるの」
「僕に出来るでしょうか」
「大丈夫よ、何にもしなくても部下に命令して任せれば、部下が勝手にやってくれるわ
あと貰った金貨300枚は翔くんの為に使って、そしてイルフルールで集めたお金の3割を騎士団に納めてね」
「はい分かりました」
「部下の人選は任せるわ」
「部下って誰もいないのですが…」
「そうね、優秀な部下が必要なら国に頼むというのも良いかも知れないわね。
賃金は、その分高いでしょうが街を大きくしたい場合は、国の人員が一番だと思うわ」
「分かりました。また、分からない事があったら聞くかもしませんがありがとうございます」
「うん、頑張ってね。それから今晩もまた宴するわよ、遅れないようにね」
僕は皆と別れ、自宅に戻ることにした。





