日本がべいてー様になるようです

・貴方方は日本の神とその眷属になりました。

・貴方方の身体は、民同様に生死が存在しますが、その魂は子が生まれると共に子へと徐々に引き継がれ、子を貴方方の分身として手足の如く用いることが出来ますが、その対象は貴方方のなりたい性に限られ、親として振る舞う貴方方の身体が死を迎えると同時に、後継者とした子へと貴方方の主人格は遷ります。

・貴方方の精神は、役目を果たすまで劣化することはありません。

・貴方方の役目は、日本人という概念が未来永劫消え去ることの無い領域へ到達するまで民を導くことです。

・貴方方は民を幸福にし、同時に甘やかしてはなりません。

・貴方方には神とその眷属として振る舞うに相応しい知識を既に得ていますが、全能ではありません。

・貴方方には日本列島以外の無主の地を、生存圏の確立に必要なだけ与えてあり、貴方方のよく知る日本列島の自然を忠実に再現していますが、その矛盾のために無主の地には、貴方方の知識と異なる自然が発生しています。

・貴方方には広大な生存圏を与えてありますが、それら生存圏は誰かに譲り渡すか、或いは先取された場合、役目失敗と看做し、貴方方を民諸共に世界の怒りによって手段を選ばずに消し去られることになります。

・貴方方には生存圏を脅かされた時のみ戦うことを許しますが、貴方方の側から戦うことは許されません。

・貴方方には生存圏を脅かしかねない存在に関しては、どのように振舞おうとも概ね許容されます。

・貴方方が民一人ひとりの生存を脅かさない限り、多少の風紀の乱れや暴走は見逃されますが、同時に守るべき伝統を蔑ろにした場合、その報いを大いに受けます。

・それでは精々私を愉しませなさい。　by 大宇宙の意志

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　大日本帝國。

　それは氷河期、ユーラシア大陸から到達した人間に端を発し、恐らくは時折発生していたのであろう中華文明圏から移動する者達、或いは遊牧民から伝えられた漢字を元に独自の文字を発明し、紀元前から独自の文明に到達し、長きに亘って何れの文明圏にも発見されず、属さず、独立独歩を地で行き、未だにその始祖の成り立ちには謎の多い、神秘のヴェールに包まれた世界最強国家。

　周囲を安定的で豊かな大陸に囲まれながらも、自らの中心地を凡そ地球上で考え得る全ての災害に頻繁に見舞われ易い、大陸中央の内海に浮かぶ弧状列島に置き続ける謎の民族性。

『生存圏』と称して彼らが領する大陸と、彼らの主食の名をして、この国に対して決して良いとは言えない感情を持つ人々は、この国をこう呼ぶ。

　米の帝國――即ち『米帝』と。

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「何が可笑しいって、そもそも最初から全てが可笑しかった」

「全くだ」

　そもそも、元々あの大陸自体がチートなのだ。両大洋という距離の壁があり、近在する強力な大国が無く、これに少なくとも橋頭堡を得た時点で独占が可能。どう考えても後の統治方法を誤らなければ勝率五割は堅いだろう。

　これが近代文明に突入したら手がつけられない。最低でも中世程度の文明さえ勃興していれば――鉄砲と火薬の作り方さえあれば――、後は鉄と火は力なりで概ね全世界終了のお知らせである。基本的に自らの大陸だけで全ての自給自足が可能どころかむしろ割と余りまくりという時点で察していただきたい。

　まぁそもそもそんな大陸の中原にこの列島があること自体がとっても非常に激しく狂おしく可笑しいのだが。本来の大陸中原の大穀倉地帯が消滅した割には、何故か総生産量に於いてあんまり変わっていない気がするのも可笑しいが。

　そこに転生チート複数（しかも条件満たすまで只管主人格が輪廻、かつ開始時点が少なくとも西洋文明到達前）が加わればどんな化学反応が起きるか解らないし、解りたくもない。主人公であり明後日の方向に暴走するこの国を先頭に立って作る――そう、現在進行形で――我々が、時々我に返って乾いた声で力なく笑いたくなるほどに。

　敢えて言おう。

「どうしてこうなった」