❆冬将軍の到来❆〜木枯らし北風戦記〜
♡この度♡この超短編!!
❆冬将軍の到来❆〜木枯らし北風戦記〜小説!?
2025/12/4(木) のランキング!!
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有難う御座います♡m(_ _)m♡
これからも創作活動頑張るます(๑•̀ㅂ•́)و✧
「今年も奴がやって来る」
小さな農村の長老が灰色に染まった曇天を見詰め云う。
「実りの秋が終わり厳しい冬がやってくる」
……茅葺き屋根を北風が揺らす。
……隙間風が囲炉裏の火を揺らす。
……村人達は皆、怯えている。
ーードドォオオオォオ!!
ーーヒュルルルルルル!!
「冬将軍の到来」を。
「其れは四季が分かたれていない頃だった」
長老は隙間風に揺らめく囲炉裏の火を見詰め語る。
❆冬将軍の到来❆〜木枯らし北風戦記〜
その昔。四季を司る四人の女神がおった。
ー春を司る暖かな『佐保姫』
ー夏を司る情に厚き『筒姫』
ー秋を司る実りを齎す『竜田姫』
ー冬を司る凛冽なる『宇津田姫』
四季を司る四人の女神は仲良ぅ天界に暮らしてた。天界は、春、夏、秋、冬、が同時に存在しておった。軈て四季を司る四人の女神は地上の四季を其々が司る事となるのだが、地上では四季が同時に存在出来ぬが為、どの四季が始めに巡るかで争いが起き。地上で四季が分かたれた。戦いの末、春、夏、秋、冬、の順で四季が巡る事となったのだが、最後に巡りゆく冬を司る『宇津田姫』は納得がゆかぬ。地上に於いて冬は厳しく冷たい季節だと人々にも嫌われる始末。何時しかその凛冽な心は冷たく頑なに凍りつき地上の人々を凍え死なせる様になった。
冬将軍は『宇津田姫』から生まれし北風の申し子。天翔ける氷の天馬その名も『木枯らし壱号』に跨り轟轟と荒ぶる北風の剣を振るい今年も地上の人々を凍え死なせる。人々は命の火を懸命に灯し冬将軍の齎す木を枯らし命の火を吹き消す荒ぶる北風の斬撃と戦ってきた。
ーードドォオオオォオ!!
ーーヒュルルルルルル!!
……茅葺き屋根を北風が烈しく揺らす。
……隙間風が囲炉裏の火を吹き消そうと揺らす。
……村人達は命の灯火を風前に揺らし怯えている。
「今年は幾人がこの冬を越せるか」
長老が隙間風に烈しく揺らめく囲炉裏の火を見詰め呟く。
「冬将軍の到来」今年もまた。
この貧しい農村に厳しい酷寒がやって来る。




