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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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少々変わり者の婚約者から迷惑行為を繰り返されたので婚約は破棄とすることにしました。

 会うたびに唾をかけてくる婚約者フェヴォストフは、私のことを「好き」と言ってくれてはいるのだけれど、その振る舞いゆえに私はどうしても彼を好きになれなかった。


 そこで嫌われようと努力してみたのだけれど、それすら上手くいかず。


 逆にストーカーに近いようなことをされるようになってしまう。


 私の家の前を常にうろつき、家の扉が開くたびに覗き込むような動作をする。また、一日に十回ほど唐突に扉を激しく連続ノックして走り去るといった迷惑行為を行い、二日に一回くらいのペースでポストに大量のメモを入れてくる。


 ……そんなことが続いたので。


 ついに決意した。

 彼との婚約は破棄すると。


「フェヴォストフさん、これ以上迷惑行為を繰り返されることには耐えられません。なので関係は終わりにします。婚約は破棄とします!」


 すると彼は大慌て。


 青白い顔をしながら「どうして!?」とか「酷すぎる!!」とか叫ぶ。


 そこからさらにヒートアップして「僕は君のことが好きなのに! 好きで、会いたくて、ちょっと様子を見に行っただけなのに!」とか「好きなのにどうして分かってくれないんだ!? 僕は君を愛しているんだ!! 好きなんだよ!! ただそれだけ、純粋な気持ちなのに!!」などと凄まじい勢いで言い放ってくる。


 その時の彼はまるで鬼の面を被ったかのような顔つきをしていた。


 だがそれで私の心が変わるわけでもなくて。


 関係はそこで解消することとなったのだった。




 ――後日。


 フェヴォストフは激怒しながら私の家へやって来て暴れ、逮捕された。


 彼は社会的に終わった。

 今後周囲にまともな人間として見られることはないだろう。




 あれから数年、私は幸せな家庭を築くことができ、幸せに暮らせている。


 ここへ来るまでいろんなことがあったけれど。でもそれはそれで良かったのかもしれない。すべてがあって、それでこそ、今があるのだと感じられるから。



◆終わり◆

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