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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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もういいの、この世界とはさよならよ。~崖から飛び降りたところ奇跡が起きまして~

 婚約者から心ない言葉をかけられたうえ婚約破棄されて、でも家に帰ったらまだ親から婚約破棄されるなんて恥ずかしいとかみっともないとか嫌みばかり言われることも読めていて――傷つくばかりで生きてゆくのはもうこれ以上我慢できないから、死を選ぶことにした。


 もういいの。

 それで。


 だってもう疲れ果てたから。


 生きたくても生きられない人がいる、なんて言うけれど、生きたくないけれど生きるしかないひとだっている。


 辛いことを乗り越えた先に幸せがある。希望を捨ててはならない。分かってはいるけれど、今の精神状態ではそれを肯定的に捉えることはできない。理解できるということと受け入れられるということはイコールで繋がれたものではないから。


 さぁ、もう、この世界とはさよならしよう――。


 そして私は崖から飛び降りた。



 ◆



 婚約破棄されたあの日から二年半。

 私は今も生きている。


 あの日、崖から飛び降りて死のうとして、でも無理だった。


 というのも崖の女神に命を助けられてしまったのだ。


 だが良いこともあった。


 崖の女神は私の話を聞くと、まず、親との縁を切らせてくれた。


 私を切り捨てた婚約者だった彼への復讐も代行してくれて。

 彼が一番恥を掻くような状況を作って失言してしまうという罰を与えてくれた。


 ちなみに彼はその出来事によって心を病んでしまい、以降そのままのようだ。


 それから女神は私へ富を与えてくれた。


 とてつもない莫大な。

 人生を大幅に書き換えるような富を。


 それによって私は今も幸せに暮らせている。


 私はこれからも私なりの人生を歩んでゆくつもりだ。


 もう命を捨てはしない。

 なぜなら今は居場所があり確かに感じられる幸福があるから。



◆終わり◆

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