かなり雑な理由で婚約破棄されてしまいましたが、少し意外な幸せが待っていました。
「悪いが、君との婚約は破棄とすることにした」
婚約者サッグスはさらりとそんなことを告げてきた。
「君はパッとしないだろう。学力はあるようだが、そんなのは何の魅力でもない。男ならともかく、な。つまり、君は女性として終わっているんだ。勉強ができても、賢くても、価値のある女性とは言えない。なぜなら女性にそういうものを求めている男はいないからだ」
しかもそんなことまで言われて。
「賢いのだろう? 君は一人で生きていけばいいじゃないか。君のような女性には男は必要ない、そして、男も君のような可愛げのない女性には魅力を感じない。そうだろう?」
そうして私たち二人の関係は終わった。
◆
「そんなことがあったなんて……大変だったわね」
「ええ。もうびっくり」
あれ以来、私は、親友とよくお茶をしている。
彼女とは小さい頃に知り合った。
そして現在に至るまで仲良しのまま。
ちなみに彼女の名はリリアという。
「でも良かったんじゃない? そんな変な男と結婚するくらいなら、別の道を模索する方が有意義というか」
「確かにそうかも」
「きっと幸せになれるって!」
「ありがとうリリア」
「ずっと味方だからね」
「そう言ってもらえると嬉しい。ありがとう。これからもまたこんな感じで時々会って話とかしてくれる?」
「もちろんよ!」
◆
あれから数年。
私とリリアはパートナーになった。
今はとても幸せだ。
そうそう、そういえば、だが。
サッグスはあの後好みに合う可愛らしい女性と結婚したそうなのだが、その人はあまり聡明でなかったようで、何度も詐欺に引っ掛かるなどの迷惑な出来事が多発。彼女のやらかしによってかなり苦労することとなってしまっているようだ。
◆終わり◆




