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身勝手なあなたは
詩のような作品です。
身勝手なあなたは
いつだって呆れるほど身勝手で
あの時だってそうだった
婚約破棄を告げられたあの日の記憶
あのね
もう振り返りたくなんてない
けれど
たまには振り返らなくてはならないことも
きっと
あるでしょうから言うけれど
あなたはいつだってそうだった
あなたはあなただけの世界に生きていて
わたしという存在なんて
どうしたって目に映ることはない
そうね
あなたの世界は
あなただけで回っている
だから
どんな重要なことだって
あなた一人の問題で
あなただけが決めたらそれでもう決まっている
そういう生き方が良いのなら
ずっと一人で生きてゆく方が良いのではないの?
誰にも迷惑をかけないで
ずっと自分だけの世界を行く方が良いのではない?
あなたの顔を思い出すたびに
浮かない顔になるわ
とうに過ぎ去ったことなのに
複雑な色だけが
今もこの胸に残っている……
身勝手なあなたは
いつだって呆れるほど身勝手で
あの時だってそうだった
婚約破棄を告げられたあの日の記憶




