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ふわわふわり
詩のような作品です。
ふわわふわり
風が吹くように
どこからかやって来る恋の音
可憐だけれど
甘いけれど
どこか重苦しさも含まれている
そんな不思議な音色
胸の奥に
しみ込んでゆく
深く
淡く
しみ込んでくるような
風が何度も吹いて
髪を揺らし
肌を撫でる
柔らかに触れる感覚だけで
何時間だって微笑んでいられそう
ふわわふわり
泡が飛んでくる
どこからかやって来る恋の報せ
涼やかな瞳
軽やかな鼻歌
どこかほろ苦さも滲んでいる
そんな不思議な香り
心の奥に
しみ込んでいった
深く
淡い
水で薄めた絵の具のよう
泡は飛んでゆく
あの空へ
あの天へ
ふわわふわり
風が吹くように
どこからかやって来る恋の音
可憐だけれど
甘いけれど
どこか重苦しさも含まれている
ふわわふわり
いつか飛んでいって
どこかへ行ってしまうとしても




