表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/548

五つ年上の婚約者はざまぁな目に遭ったようです。~その最期は実に呆気ないものでした~

 私には五つ年上の婚約者がいる。

 その名はボフルレン・ロイス・フィフィトゥリートーシシュ。

 整った目鼻立ちが印象的な男性だ。


 そんな彼は、婚約前、いつも優しく接してくれていた。


 また「好きだよ」とか「一緒になれたらいいなぁ」といったように想いも真っ直ぐに伝えてくれる人で――そのため私の親がその人を気に入っていて――両親からのおすすめもあり、私は彼と婚約することとなったのだ。


 だが婚約してから数週間で別の女性に近寄るようになった。

 そしてやがて堂々と浮気するようになる。


 彼にとって私はそれほど大切な存在ではないのだろう、こちらの気持ちなんて無視で彼は行動していた。


 で、ある時、我慢できなくなってそのことを追求すると。


「そんなこと言うんだったらさ、婚約は破棄にしようよ」


 平然とそんな風に言われて。


「面倒臭いよそういうの。苦手。俺もう君のこと嫌いになったよ。だからやめる。結婚なんてしない。だからもうおしまいにしよ? 婚約は破棄、いいね」


 まるで紙屑でも捨てるかのように。

 彼は私をぽいと放り捨てる。


「ばいばい」


 ――こうして私たちの関係は終わった。



 ◆



 それから数週間ほどが経ったある日、ボフルレンは繁華街へ向かう途中の路地で何者かに襲われ刃物で刺されて死亡した。


 実にあっさりとした形でこの世を去ることとなった。


 犯人ははっきりしないままのようだが。

 噂によれば、かつて彼に酷い捨てられ方をしたとある女性ではないかと言われている。


 なんでも、彼はこれまでにも幾度も女性を傷つけてきてきたようなのだ。


 ……報いを受ける時が来ただけ、か。


 人の怨みとは恐ろしいもの。時にとんでもない悲劇を生み出す。だからこそ人間関係においてはなるべく常に誠実でなくてはならないのだが、彼にはそれが理解できず、だからそのようなことになったのだろう。


 ちなみに私はというと、既に新しい一歩を踏み出している。


 終わったものは仕方がない。

 見据えるべきは未来だけだ。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ