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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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やはり神様は正しく見てくれているようですね。~婚約破棄後の二人は~

 私には婚約者がいる。

 名はルーブン。

 彼はそこそこ整った容姿をしているため女性人気は高いのだが、心は決して綺麗とは言えない――他者を傷つけてもどうもない、そういう人間なのだ彼は。


 そんな彼はある日突然婚約破棄宣言してきた。


「前から不満だったんだ。お前が価値の低い女だから。お前みたいなやつ、俺には相応しくない。……そうだろう? お前みたいなやつを隣に置いていては俺まで価値が下がってしまう。ただ、それでも、今日まではずっと我慢してきたんだ。だがもう無理になった。これ以上自分で自分を価値を下げるようなことはしたくないからな。ということで、俺はもうお前を切り捨てる。たとえ悪扱いされようとも。人生において最も大切なのは俺自身の価値を落とさないことだからな。……よって、お前とはここでお別れだ」


 彼は平然とそんな風に心ない言葉を並べ、一方的に私を切り捨てたのだった。



 ◆



 あの後良家の子息から連絡があった。

 その人は私に関心を持っているらしい。


 それですぐに会ってみることに。


 話は順調に進んでいる。


 そうそう、そういえば。


 ルーブンはあの婚約破棄の数日後元々趣味であった釣りをするため自宅から徒歩二十二分ほどの池へ出掛けていたようだが、道具を用意している最中に何者かに背後から強く押され池へ転落したらしい。で、ちょうどそのタイミングで出現した肉食魚タイプの魔物に襲われ、餌となってしまったそうだ。


 彼はもうこの世にはいない。


 こんなに早く彼に終わりが来るとは思わなかった。きっと誰もがそう思っているに違いない。私だけではなく、彼の知り合いは皆、そして彼自身も。恐らくこのような結末は想像していなかったことだろう。


 だが、やはり、悪はいずれ滅びるものなのだ。


 神様はきちんと見てくれている。

 誰が善良で誰がその逆なのか。


 そして、悪しき者には、罰を下してくれるのだ。



◆終わり◆

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