あの……「生きてて楽しいか?」はさすがに酷くないですか? もう少し考えて言葉を発してください。
「お前ってさ! パッとしないよな! 勉強普通、見た目普通、知性普通、品性普通……普通普通普通、って、生きてて楽しいか? お前みたいなやつは俺には相応しくない! だろ? 分かってんだろ? じゃあさじゃあさじゃあさ、まずそっちから言うべきことがあるんじゃねえの? なーに黙ってんだよ。おっかしーだろ? けど、ま、俺って優しいからさ、特別にこっちから言ってやるよ」
調子乗りの婚約者ポール・ディディフォフォティティフュフュは失礼な言葉をあれこれ並べて、その先で。
「お前との婚約は本日をもって破棄とする!」
二人の関係を叩き壊した。
「俺に相応しい女ってのはさ、もーっと、おしゃれな女なんだよ。華があって、可愛い顔してて、忠実で、って。そういう女こそが俺に相応しい女なんだよなー。お前はゼロ点! はは。じゃあな、バイバイ」
ポールは私を切り捨て、数週間後、別の女性と婚約した。
……だが幸せにはなれなかったようだ。
婚約直後から相手女性が本来の悪質な部分を出してきたようで。挑発を繰り返されたポールはそれにうっかり乗ってしまって。結果毎日のように喧嘩が起こるようになってしまったそう。
そんなある日の喧嘩中にポールは女性を殴ってしまったらしく。
それによってポールは女性の知り合いだという怖い人に毎日のように追われることとなってしまい。
恐怖という色のストレスだらけな毎日に疲れた彼はやがて自らこの世を去ったらしい。
理不尽に私を傷つけたポールには幸せな未来はなかった。
ちなみに私はというと、婚約破棄された後少しして知り合った漁師の男性と結ばれた。
◆終わり◆




