ああまた鐘が鳴る
詩のような作品です。
ああまた鐘が鳴る
あなたとの日々を思い出しては
涙こぼれ落ちる
懐かしいあの頃
幸せだったあの頃
もう何度繰り返したでしょう
あの頃を思い出すことを
数えきれないほどに
幾度も繰り返した
幸せだったあの頃のわたしを
思い出せば出すほどに
今のわたしが惨めに思えてきて
けれども
輝いていたあの日々を
取り戻したい
そう願うわたしがいることもまた
確かな事実だから
きっとこれから先も
数えきれないくらい
思い出しては
辛さのようなものを抱えるのでしょう
それはある意味定めなのかもしれないと
それはきっと避けられるものではないのだと
分かっているから
わたしはきっと逃れられない
あの輝いていた日々という
過去の幻影から
離れられず
忘れられず
逃れられないまま
この先もきっと
ひたすらに生きてゆくのでしょう
息をして
息をして
己の愚かさを知りながらも
過去という光に
時折縋りながら歩いてゆくのだろうと
容易く想像できる
そこに救いがあるかどうかはべつとして
ああまた鐘が鳴る
あなたとの日々を思い出しては
涙こぼれ落ちる
懐かしいあの頃
幸せだったあの頃
もう二度と戻らないと分かっているのに
それでも求めてしまう
それでも欲してしまう




