表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/548

四十歳差の婚約はなかなか上手くいかないですよね。しかも無理矢理のものであればなおさらですよね。

「君との婚約じゃが、破棄とすることとしたのじゃ」


 四十歳年上の婚約者ロージィがある日突然そんな宣言をしてきた。


 ロージィと私とはかなりの年齢差がある。親子かそれ以上といったくらい。普通に考えれば私たち二人は結婚するような年齢ではないのだ。夫婦になる、なんてことは、普通はない年の差。


 だがロージィが私の両親に大金を支払ったことによって私は彼と結婚することになった。


 お金の力は凄まじい……。

 それこそどんな大きなものでも動かしてしまえるほどなのだから……。


 けれどもそんな風に無理矢理始まった関係は上手くは続かず。


「わしゃもっと美人でトークスキルのある女性が好きなんじゃ。君は良いのは見た目だけ。それも、それなりに、という程度。つまり、わしにとって理想的な女性ではないのじゃ」

「そうですか」

「なので、わしは妥協するのはやめたんじゃ!」

「分かりました」

「もっと美人、もっと性格良し、もっと話が面白い――そう言う女性こそがわしに相応しい女性なんじゃよ!」


 こうして驚くような年の差の婚約は破棄となった。


 その翌日ロージィは亡くなった。


 彼はその日珍しく早朝にお風呂に入ったそうなのだが、途中で食べようと思いつつまだ食べられていなかったつまみのことを思い出して、身体を洗うことを急いで終わらせて走って外へ出た。


 すると急にくらりときて。

 めまいのような何かに襲われて。


 ――で、そのまま倒れ、意識不明に。


 結局彼は亡くなったしまったのであった。


 彼の最期は呆気ないものだった。

 お金に物を言わせて多くのものを手に入れてきた彼だったけれど、長い命だけは手に入れられなかったようだ。



 ◆



 あれから数年。


 私は今とても幸せに暮らしている。

 温かな人と出会えたために家庭を持つことができ、また、その人はとても料理上手なので毎日美味しいものを食べて生活できている。


 私はとても恵まれていると思うし幸せ者であるとも思う。


 なので私はこれからもこの場所を大事に守りながら生きてゆきたいと考えている。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ