表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/548

婚約破棄される日はいきなりやって来ました。~彼の最期は誰も知りません~

 婚約者ローンガン・パパ・ラパパ・トトッタ・パパラパラパトッタタラはある日いきなり関係の終わりを告げてきた。


「君とはもうこれ以上やっていけない」


 彼はさらりとそんなことを言った。

 信じられないくらい冷ややかな目をして。


「だからここまでだ。さよなら」


 ――そうして私たちの関係は終わりを迎えたのだった。




 婚約破棄を告げられた日から三日が過ぎた昼下がり、山の方へ出掛けたローンガンが帰ってこないという情報が流れてきた。

 捜索隊は昨日から出ているそうなのだが、それでもなかなか見つからないようで――実質、行方不明、というような感じらしい。


 ローンガンの身に何があったのだろう?


 よく分からない。

 いつも行っていた近場の山であるなら遭難というわけでもなさそうだし。


 ……だが、一つ確かなことは、恐らく生きてはいないだろうということだ。


 一人で山へ入って帰ってこなくなった人間が無事生きているとは考え難い。いや、もちろん、時にはそういう幸運な事例もあるのだろうけれど。ただ、それを期待するというのは少々無理がある。なんせそのようなことは滅多に起こらないこと、奇跡だから。




「――なんてことがあったのよね」

「そっかぁ……それは怖いなぁ、かなり……」


 あれから何年経っただろう。

 私には生涯を共にする相手ができた。


「それで、そのローンガンっていう人は、亡くなってしまったのかい?」

「発見されなかったから」

「亡くなったという扱いに?」

「ええ、そうみたい。一定期間行方不明のままだったから……」


 ローンガンの最期、その真実を知ることは、きっと誰にもできない。


 だがそんなことはもはやどうでもいいことだ。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ