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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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理解不能な理由で婚約破棄されましたが、その後良いことが起こりました。

「お前の兄ちゃんでべそだから無理、婚約は破棄な!」


 ある日突然そんな意味不明なことを言われ関係を終わらされた。


「え? 何? 何の話してるの?」

「だからさ! お前の兄ちゃんがでべそなんだよ! 聞こえなかったんか? そういうことなんだよ!」


 婚約者ルルブンルンの発言は意味不明の極みだ。


 そもそも兄はでべそではない。それに、でべそだからといって他者にあれこれ言われる筋合いはないだろう。それを理由として婚約破棄だなんてもってのほか。どう考えてもおかしな話でしかない。


「あの……ちょっと待って。意味が分からないわ。兄と私は同一人物ではないでしょう」

「だとしても嫌なんだ!」

「ええっ……」

「嫌なんだよ! でべその妹と結婚とか!」

「落ち着いて。そもそも、私の兄、でべそじゃないわよ」

「知るか!」

「ええっ」

「でべそなんだよ! だから結婚するのはやめたんだ! もうやめた、それは決定なんだよ! な! だから、バイバイ!」


 結局、最後まで、ルルブンルンはまともな会話はしてくれなかった。



 ◆



 婚約破棄から数週間。


 ルルブンルンはある晩家の近くで謎のおじさんに追い掛け回され、その途中で転倒してしまい、その際に打った位置が悪かったらしく死亡してしまったそうだ。


 彼の最期は驚くくらい呆気ないものであった。


 それにしても、追い掛け回してくる謎のおじさんというのは……ただひたすらに謎でしかない、が、かなり怖い。

 元恋人とか。近しい関係とか。そういうわけでもないのに突如追い掛け回してくるなんて。

 そんな経験をしたらトラウマになってしまいそうだ。

 想像するだけで怖い。もう、ただひたすらに。恐ろしい、という言葉しか、溢れてこない。


 一方、私はというと、先日兄の事業が大成功を収めたために今は裕福な暮らしへの道を突き進めている。


 希望はきっとある。

 明るい未来はいつか必ずやって来る。


 今は純粋にそう信じることができる。



◆終わり◆

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