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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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誕生日前日に終わりを告げられました。〜そして彼もまた自身の誕生日に〜

「明日さ、お前の誕生日だよな」


 婚約者バロートンが珍しくそんなことを言ってきたものだから内心眼球が飛び出しそうなくらい驚いていたら。


「記念にさ、明日、婚約破棄するわ」


 まさかの言葉が続いてきて……ああそうか、そういうことか、と腑に落ちた。


 バロートンは初めから私を愛していなかった。明確に嫌いと言い放つことはなかったけれど、かといって段々好きになってくれたわけでもなく、ずっと平行線のままでここまで来た。


 だから切り捨てられたとしても驚きはしない。


「お前ダサいしパッとしないし華やかさないし面白みないし可愛くないし近くで見たら思ったより目でかくないし何となく不快だし好きになろうと努力するのもしんどい。だからこの関係はもうおしまいな」


 私たちの関係はこうして驚くくらいあっさりと終わりを迎えたのだった。



 ◆



 婚約破棄から三カ月が経ったバロートンの誕生日、彼はこの世を去った。


 何でも、私と別れた直後から、バロートンは以前の恋人たちにやたらと連絡をしていたそう。ただ、彼があまりにも必死にその中の一人の女性と会おうとしたために、女性と現婚約者の関係が壊れてしまったらしい。で、それによって女性が激怒。


 そしてバロートンの誕生日に女性は彼を襲撃した。


 ……ということがあって。


 思わぬ形であっさりとバロートンはこの世を去ることとなってしまったのである。


 とはいえ、もう、私には何の関係もない話だ。なんせ彼との関係は終わったのだから。もうすべて終わったこと、すべてが済んだこと、ならば彼に関わる理由などないし彼の話に絡んでゆく意味もない。


 ああ、そうだったんだ。


 軽い感じでそう呟くくらいが関の山だろう。



◆終わり◆

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