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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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さよなら

詩のような作品です。

シャーベットみたいに溶けていった

わたしとあなたの時間

わたしとあなたの関係

確かなものに見えていたのに

その先に道はなくて

あまりにも寂しいさよなら

あまりにも悲しいさよなら

別れを告げることさえできないまま

時だけが流れてゆく


シャーベットのように口の中で溶かせたなら

こんな気持ちになることなんて

きっとなかっただろうなって

苦しみも痛みも涙も

どれも降りかからなかったのだろうなって

思いながら

それでも今日を

生きてゆく

生きてゆく

時だけが平等に流れる


淡い期待は

裏切られ

溶けて消えた

雪のように

寂しさの輪郭だけを遺して

明日への期待を

僅かに芽生えさせながら

また

淡く溶かしてゆく

春が来る前に

冬が去るように


ああ……


シャーベットみたいに溶けていった


愛していたことも

愛しく感じていたことも

雪どけのように

すべては無となって


新しい日射しの下で

新しい芽生えが訪れる日まで


シャーベットのように溶けていった


さよなら

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