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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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良い人は良い未来を手に入れ、悪い人は悪い未来へ向かう。そういうものであってほしいですよね。

 その日までは普通の日常だった。

 なんてことのない良い意味で平凡そのものな毎日。


 しかしそれは突如終わりを迎える。


 ――婚約者ダニーンからの言葉によって。


「お前とは結婚しない」


 彼はある日突然私を自宅へ呼び出すと、そんな宣言をしてきた。


「え」

「つまり、お前との婚約は破棄する、ということだ」

「……婚約、破棄?」

「そうだ」

「それは……本気で仰っているのですか?」

「ああ。当たり前だろう。俺はいつだって本気で生きている、だからこそ、お前で妥協するのは嫌だと思ったんだ」


 私で妥協? ……なんという失礼な発言。感じ悪いにもほどがある。どうしてそんなことが言えるの? と尋ねたいほどだ。しかも、さりげなくでなくはっきりと言うなんて、より一層悪質。どうしてそんなに失礼なの? と今すぐ尋ねたいくらい、彼の言い方は酷いものだった。


「もう伝えたからな。そういうことだから、俺らの関係はここまで。オーケイ? じゃ、そういうことで。バイバイ」


 こうして私たちの関係はあっさりと終わった。




 婚約破棄の一週間後、ダニーンはこの世を去った。

 その日彼は夜に近所の山に入り夜だと見つけやすい山菜を採っていたそうなのだが、作業の途中で山の主と呼ばれている獣に襲われ、その際に負った傷が致命傷となったそう。


 倒れている姿が発見された時、彼は既に亡くなっていたのだそうだ。


 失礼なことを言って婚約者である私を一方的に切り捨てた彼に明るい未来はなかった。


 だが可哀想ではない。

 なぜなら自業自得だからだ。


 他人を傷つけることを平気でするような人間が幸せになれるとしたらこの世界は間違っている……そうだろう?


 良い人は良い未来へ。

 悪い人は悪い未来へ。


 本来世界とはそうであるべきだ。



◆終わり◆

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