結婚式数日前に身勝手に婚約破棄してきた彼はその後幸せにはなれなかったようです。
「君と結婚するって考えると浮かない気分になってきて、いつも、体調を崩すんだ」
かつて、婚約者であった男性ローバートスが、結婚式を数日後に控えた状況で口にした言葉。
「胃が重くなって、段々吐き気がしてきてさ。さらには腹痛になることもある。ここのところずっとそんな感じだから、もう君のことを考えたくない」
今でも鮮明に思い出せる。
「だから、婚約は破棄とするよ」
突然告げられた関係の終わりに言葉を失って。
「さようなら。……永遠に」
何も言えぬまま二人の関係は終わりへと向かったのだった。
◆
あの婚約破棄の後、ローバートスは新しい事業を立ち上げたらしい。
しかしその事業はあまり上手くいかず。
結果的には負債を残すだけとなったよう。
そして、借金返済のために工事現場で働くこととなったらしいのだが、そこで事故に巻き込まれてしまったそうだ。
……と、そんな感じで色々なことがあり。
彼は幸せを掴めないまま、暗い状況の中で生きてゆくこととなってしまっているようだ。
一方私はというと。
細やかな出来事をきっかけとして親しくなった男性と将来を誓い合ったところだ。
もうすぐ婚約する予定である。
大きなことはすぐには成せない。けれども少しずつ努力すれば良い結果は掴めるはず。勇気を持ちながら歩めば、望む未来はいつか必ず掴めるだろう。
だから私は明るい未来を信じて進む。
◆終わり◆




