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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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かつて私を虐めていた人が婚約破棄されてこの世を去ったようです。

 今から十年以上前かなりの酷さで私を虐めていたリフィーナが婚約破棄されてこの世を去ったらしい。


 リフィーナと私は家がわりと近かったので自然と知り合いになった。しかし出会って一年も経たないうちに彼女は私を良く思わないようになって。常に見下し、心ない言葉をかけてきて、と、そんな感じで。そして気づけば彼女は私をことあるごとに虐めるようになっていた。


 何が気に食わなかったのかはよく分からない。


 ただ、彼女が私を嫌っていたということだけは、決して変わることのない事実だろう。


 ある時は私の私物をこっそり奪い取り。

 ある時は共通の知人に嘘の私の話を言いふらして評判を下げ。


 またべつのある時には、仲間で揃って私を無視して、私を最初から存在しなかった人間のように扱った。


 そんな彼女は結婚間近だった二ヶ月前、婚約者から悪行を指摘され、婚約破棄されたらしい――というのも、婚約者の母親に虐められているという嘘を言いふらしていたそうで――それゆえ、婚約破棄は当然といえば当然の結果だろう。


 けれどもリフィーナは仕方ないと受け入れることはできず。


 彼女は自らこの世を去ることを選んだそうである。


(……ま、自業自得ね)


 最初に彼女の死を耳にした時はそれだけしか思わなかった。


 そしてそれ以降も。

 当初想像していた以上に、彼女について何か思うことはなかった。


 それによって気づいた。


 私の中で彼女はどうでもいい存在だったのだと。


 きっとこの先、彼女に思いを馳せることはないだろう。


 彼女の死が。

 私たちの別れ。


 そう、永遠に――。



◆終わり◆

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