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穏やかな春、婚約破棄を告げられて。~破滅してから後悔すれば良いのです~
貴方が私に心ない言葉を投げつけ婚約破棄したのは、確か、こんな穏やかな春のことだったわね。
季節的には心が穏やかでいられるような時で。
けれどもあの時の貴方は最低な人間だった。
だから婚約している相手である私にであっても酷い言葉を投げつけたのよね――あの時は本当に、貴方のこと、最低な人間だと思ったわ。
素直に。純粋に、ね。
しかも貴方は浮気していて。
ややこしいことを起こしたのは貴方なのに。
それなのに貴方は私を悪者扱いしていたのだから……もう、本当に、救いようがないわ。
そうして春と共に終わった私たちの関係。
もう二度と戻ることはないでしょうね。
でもいいの。
今はとても幸せに生きているから。
そして貴方は地獄へ堕ちた。
お互い相応しい結末を迎えたと言えるでしょうね。
……貴方はいつまでも地獄の底で後悔していればいいの。
◆終わり◆




