なぜかいつもの時間に眠れず困っていたのですが……そこからまさかの展開に。
その日はなぜかいつもの時間に眠れなかった。
消灯して横になっていても意識は遠退いていかず。
ただ時間だけが流れてゆく。
どんなに努力しても意味なんてなくて、睡眠という入り口が一向に近づいてこない。
――と、そんな感じで不思議に思っていたら。
「俺さ、お前との婚約、破棄することにしたから」
夜遅い時間になって婚約者である二歳年上の男性ルークス・フィフォ・ディヴォットがやって来てそんなことを告げてきた。
いきなりの訪問。しかもこんな遅い時間に。それだけでも不自然さを感じていたというのに、そこからさらに意外な決定を告げられて。
まさかの展開に頭がついていかなかった。
何これ? と内心首を傾げるので精一杯だった。
「お前との関係はここまでな」
「それは一体どういう……」
「うるさいな。余計なこと言うなよ鬱陶しい。いいからもう何も言うな。黙って俺の前から消えろ」
彼が私にかけた最後の言葉はそんな心ないものであった。
――そしてルークスはこの世を去った。
婚約破棄を告げ、自宅へ戻る。
その道中で彼は不審者に襲われた。
鋭い刃でひと突き。
彼は命を落とすこととなる。
あまりにもあっさりとした最期を迎えることとなってしまったルークスであった。
◆
私はあの後流れ星に遭遇。
そして願った。
幸せになりたい、と。
すると翌日から状況が激変。
何もかもが良い方向へと動き始める。
まるで別人になってしまったかのように――私は趣味を活かして富を築くことに成功し、あっという間に大スターになり、輝きの頂点に躍り出た。
こんなことがあるのだろうか……、と思うような、そんな奇跡的な展開であった。
◆終わり◆




