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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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幼馴染みで婚約者の彼は浮気がバレると逆ギレして婚約破棄宣言をしてきました……。

 幼馴染みで婚約者の彼アンドレット・ティオマが浮気していることが判明した日、私はそのことについて問い詰めたのだけれど、すると彼はなぜか逆ギレしてきてしまいには婚約破棄を宣言してきた。


「お前なんてなぁ! 俺以外の男には相手にされねぇんだよ! なぜならダサ女だからだ、分かるか!? ああ!?」

「浮気なんてしている方がダサいと思うわよ」

「はああ!? ふっざけやがって……この俺にダサいとか言うとか、お前、最低すぎだろ!! そんなだからお前婚約者に浮気されんだよ! 分かるか! 無価値女がえらそーなこと言うなや!」


 こちらとしては本心を述べただけだ。

 それゆえ言いたいことを言ったことを後悔はしていない。


 ――が、心ないことをたくさん言われて傷ついたこともまた事実ではある。


「お前なんか消えちまえ!」


 別れしな、アンドレットが吐き捨てるように叫んだのは、そんな言葉だった。


 彼は平気で私という人間の存在を否定した。

 消えろとまで言った。

 そこまで言ってしまえるということは、恐らく、関係はとうに破綻していたのだろう。



 ◆



「君が笑顔を取り戻してくれて良かったよ」

「お礼を言うべきは私の方です」

「そんな。でも、僕も、君には本当に支えられているんだ。君に出会ってから僕の世界は色づいた。だから君には感謝しているよ」


 浮気と婚約破棄。

 あの事件から一年半。


「これからも君と一緒にいたい」

「それは……私も。同じ気持ちでいます。ずっと、ずっと……いつまでも、よろしくお願いします」


 私はようやくこの日を迎えた。


「結婚しよう」

「はい」


 アンドレットとは上手くいかなかったけれど、その後に出会った五つ年上の男性とは順調に関係を築くことができた。


 だからこそ迎えた、今日この日。


 私は。


 ……否、私たちは。


 まさに今、この瞬間に、新たな一歩を踏み出す。


 希望ある未来への第一歩。

 すべてはここから始まる。


 ちなみにアンドレットは今はもうこの世にいない。


 彼はとうにこの世を去ったのだ。

 それもとても孤独に。


 私との婚約を破棄した彼は浮気相手であった女性に結婚を申し込むが「そんなつもりはなかった。本気じゃない」と言われ断られてしまったそうで。それによって彼の精神は崩壊。以降、彼は街で有名になった。なぜなら奇行を繰り返すようになったから。意味不明な行動をする男、として、彼は皆の記憶に残ることとなった。


 で、ある日の晩、崖から飛び降りる遊びをしていたところ、うっかり頭から転落してしまい――そのままあの世へ逝ってしまったのだそうだ。



◆終わり◆

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