あなたにさよならを告げられた夜
詩のような作品です。
あなたにさよならを告げられた夜
どうしてかしら
降り続ける雨がこの心を打ち付ける
痛みなど捨てて
悲しみなど捨てて
生きてゆけたならきっと
強くあれるのに
失うことなんて恐れず……
あなたが終わりを告げた夜
思い出すたびに
今宵また降り続けている雨が
悲しみなど捨てろと
涙など流せと
命令してきているかのようで
強くあれと言われても
今はまだ強くはなれない……
いつも別れは唐突にやって来て
嵐のような悲しみを連れて
この心を掻き乱してゆくばかり
少しでも強くなれたなら
きっと
別れへの悲しみなど抱えずに
ただ
真っ直ぐに未来を見据えて
歩んでゆけるのでしょう
そのくらい強ければ
そのくらい強くなれれば……
雨降りの夜には
繰り返してしまう
この先もきっと
何度も繰り返してしまう
同じようなところを
行ったり来たりして
何の意味もないと分かっているのに
なかなか先へは進めない
どこで道を間違えたの?
どこで何を誤ったの?
……もうよく分からなくなって
あなたにさよならを告げられた夜
何度も思い出す
夢にもみるくらい
繰り返されるあの瞬間が痛い
どうしてかしら
降り続ける雨がこの心を打ち付ける
まるで心が泣いているかのよう
寂しげな旋律が
胸の内をただ揺さぶる
痛みなど捨てて
悲しみなど捨てて
生きてゆけたならきっと
強くあれるのに
今はただ
そうありたい
失うことなんて恐れず……




