好きになれば好きになるほど

どうしてかな

好きになれば好きになるほど

心が重くなってゆく

欲しいものが多すぎて

嫌なことが増えすぎて

最初は良かったんだ

純粋に楽しんでいた

見つめているだけで

会えるだけで

ただ楽しかったから

穢れのない眼差しを向けて

自分だけの楽しさの海を泳げた

あの頃は良かったなって

今は思うよ

人間の欲望は際限のないもので

手に入れたものが増えるたびに

欲しいものも幾つも増えてゆく

重なる色を欲して

無我夢中で走って

どうしようもない心で

ただひらすらに喉の渇きを感じて

もうこんなことやめよう

ここへ来るまで何度もそう思ったけれど

なんだかんだで諦めきれなくて

いつの間にか今日まで走り続けてきていた

どうしてかな

好きになれば好きになるほど

心が重くなってゆく

欲しいものが多すぎて

嫌なことが増えすぎて

苦しくなるばかりのことなんて

痛みを覚えるばかりのことなんて

人生に良い影響を与えてくれないと

分かっているのに……