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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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自分の心に正直な彼は婚約者である私にであっても配慮のない言葉をかけてきます。そういう人は苦手です。

 婚約者ザインは自分の心に正直な男性だ。

 それゆえたびたび他者に対して配慮のない言葉をかける。

 そしてその対象となるかどうかは人によって異なっている。つまり、配慮のない言葉をかけられやすい人とかけられづらい人が発生する、ということ。


 そして私はかけられやすい側の人間だった。


 婚約者だから大切に、なんていう考えは、彼の頭には少しもなくて。それゆえ彼はいつも平然と傷つけるような言葉を投げつけてくるのだ。


 だがそんなある日ザインは突然この世を去った。


 というのも、ザインが路上で拾って食べたクッキーに毒が入っていたのだ。


 毒によって彼は落命した。


 一応生で落ちていたわけではないようだ。綺麗にラッピングされた状態で落ちていたらしい。それゆえクッキー自体に汚れはなく、実際に食べるとなっても特に問題はない状態だったのだとか。


 だが毒が入っていたため結果的に彼は命を失うこととなってしまった。


 砂がついている、とかのほうが、まだしも良かったのかもしれない。

 口腔内がじゃりじゃりすれば分かりやすい不快感はあるけれど、かといって即座に死には至るわけではないから。


 ただ、彼の死によって私は彼から解放されることとなったのだから、それはある意味幸運であったのかもしれない。


 ……人の死を幸運とは言いたくないけれど。


 だがこれでもう心ない言葉をかけられなくて済む。


 そう思うと、爽やかな気持ちになってくる。


 そうだ。

 もう傷つかなくていい。


 彼の発言によって悲しみを抱かされることは、もうない。



◆終わり◆

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