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長い髪のあの子
詩のような作品です。
長い髪を揺らすあの子は
あなたの好きな人
分かっていたの
わたしなんて所詮は形だけの存在だって
婚約していたって
心までは奪えない
周りが決めただけの関係なら
どう足掻いてもそれだけの関係
仕方ないよね
愛し合って始まった二人ではないのだから
片方だけが好きでも
それはあくまで
片方だけが好きということ
それ以上なんてない
長い髪をなびかせるあの子は
あなたの視線の先
いつも輝いている春みたいな彼女
確かに魅力的で
わたしでも分かる
きっと彼女はこれから先も
多くの人の心を奪ってゆくのだろうと
誰からも好かれる
誰からも愛される
片想いされることだって
きっとたくさんあるのだろうから
羨ましいと
そう言うことさえおこがましく感じるほど
わたしとは違う人
まったくもって異なる世界の人




