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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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突然婚約破棄されました!? 〜爽やかを絵に描いたような季節のただなかで〜

 軽やかな風が吹き抜ける春。

 私は、爽やかを絵に描いたような季節のただなかで、絶望の刃を突きつけられた。


 ――そう、婚約破棄を告げられたのである。


 婚約者である彼は「お前なんて嫌いだ」とか「お前なんて何の価値もない」とか心ない言葉を並べつつ婚約破棄してきた。


 関係を急に解消しようとする、それだけでも驚くことなのに。ただ婚約破棄するだけではなくて心ない言葉をかけるといった行為まで重ねてくるなんて。正直私には彼の思考は理解できない。関係を終わらせるなら敢えて傷つける必要なんてないだろうに。でも彼はわざわざそれを選ぶのだから、もう、本当に、こちらからすれば謎でしかない。


 ただ、婚約破棄されたものは仕方がないので、いつまでもそこに佇みはしないと決めた。


 過ぎたことに縛られる必要はない。

 時は流れ続けるのだから。

 落ち込んでうじうじしているより、前を向いて生きてゆくことを考える方がずっと有意義だ。



 ◆



 あの婚約破棄から四年。

 私は偉大なる宗教家であった男性に見初められ結婚した。

 彼に出会えたおかげで私は幸せを掴むことができた、なので、彼には感謝している。


 ちなみに元婚約者の彼はというと、ある時女関係の揉め事で友人と大喧嘩した際に教会の前に設置されている女神像を破壊してしまったそうで――以降、不幸なことが多発するようになり、やがて心を病んだそうだ。


 今年もまた、軽やかな春の風が吹き抜けてゆく。


 私は幸せに浸りながら息をする。

 それはきっとこの先も変わらないだろう。


 ――生きてゆこう、幸せに。



◆終わり◆

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