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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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裏切り者の彼は結局幸せにはなれなかったようです。~他者を傷つけるような人間が幸せになれるはずがない、やはりそうであるべきですよね~

「婚約できて嬉しいよ! ありがとう!」

「こちらこそ」

「君のこと、ずっと大好きだからね!」

「嬉しいわ。ありがとう。これから末永くよろしくね」


 婚約者ルブールは婚約した日そんな風に温かさのある言葉を投げかけてくれた。


 だから信じた。

 彼となら幸せある道を行けると。


 思いやりのある彼なら信じても大丈夫だと、これからの関係について前向きに考えて大丈夫だと、そんな風に信じたのだ。


 ――だが長くは続かなかった。


「他の女性と深い仲に発展しているなんて……どういうこと!?」

「ごめん」

「悪いことをしたって分かっているの!?」

「うん、うん、もちろん。うん。分かってるよ。けど、仕方がなかったんだ」

「どういうことよ」

「だってさ、人間誰しも、時に他の味も楽しみたくなるものだよね? 同じものだけで我慢する人生なんて呆気ないにもほどがあるから。ね? そう思わない?」


 彼は浮気していた。

 それもかなり堂々と。


 信じていた私が馬鹿だった――その時になって気づいたけれど、今になって気づいても何の意味もない。


「ごめん、じゃあ、婚約は破棄とするよ。さよなら。元気でね」

「えええ!?」

「何だよ急に」

「おかしいじゃない! 問題あることをしたのはそっちじゃない!」

「うるさいなぁ」

「婚約破棄を告げるとしたらこっちよ」

「はあ? 鬱陶しいって。てか、どっちから言ったって婚約破棄は婚約破棄だし。一緒なんだからいいじゃん」

「そういう問題じゃないわ!」


 ――と、そんな感じで、なんだかんだ言い合いしつつ。


 私たちの関係は終わった。



 ◆



 あれから三年。私は元から趣味で取り組んでいた手作り茶葉の店を開き成功、今では国内でかなり有名な手作り茶葉店の店主となっている。たびたび来てくれる常連客も徐々に増え、売上はかなりあがっている。ゼロから始めたわりにはかなり順調。


 けれども、だからこそここで頂点に達するわけにはいかない、と、そんな風に考えていて――ここからさらに人気店になってゆけるよう、私なりに日々努力を重ねている。


 一方ルブールはというと。

 彼はあの婚約破棄の後浮気相手であった女性と結婚しようとしたそうだがその時には既に女性は別の男性と親しくなっており、結局ルブールはふられることとなってしまったそう。


 その一件によってルブールの心は折れて。


 以降、酷く無気力になってしまい、現在は療養中だそうだが治りそうな動きはまったくもってないそうだ。



◆終わり◆

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