さくっと婚約破棄されましたが、心ない彼はあっさりこの世を去ることとなりました。
「お前さぁ……ほーんと、くだらねぇ女だよな」
その日、その時は、突然やって来た。
「婚約は破棄な」
婚約者である二つ年上の彼サダムスは、無表情で、そんなことをはっきりと言い放った。
「え」
「お前とはもう関わらねぇから」
「何を、言って……」
「だってさぁ、お前、面白くねーんだもん。一緒にいてもいいことなし。だからもう関わらねぇって決めたんだ」
――と、その時。
「え……ぁ、う、うわああああ!!」
天井から吊り下がっていたシャンデリアが落ちてくる。
まるで意志を持っているかのように。
シャンデリアそのものが意図してサダムスを狙ったかのように。
「嫌だ……助、け……わああああ!! ぎゃあああ!! ああぁぁぁあああぁぁぁぁ!!」
こうしてサダムスは亡くなったのだった。
◆
婚約破棄された日から三年。
早いものでもう何周も季節が巡り過ぎていった。
私は今日、愛する人と結婚する。
「良い天気だね」
「ええ」
「僕たちの未来を祝福してくれてるみたいだね」
「確かにそうね」
今こそ、新しい一歩を踏み出そう。
過去は過ぎていったもの。
時は戻ることはない。
ならば、見据えるべきは未来だけだ。
幸せな未来を信じて進もう。
◆終わり◆




