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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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お金が増えた途端に寄ってくる人なんて……好きになるわけがないでしょう?

 婚約者ラオから婚約破棄を告げられた、自宅への帰り道。


 寒い風に震えながら。

 独り、夕暮れを歩く。


 まるで世界から私以外の人間がすべて消えてしまったかのようだ。


 昨日までは明るい未来を夢みることができていた。けれども今は……そういったものを、未来を、視認することはできなくなってしまった。なぜならすべてが壊れたからだ。信じていたもの、信じてきたもの、もう何もない。私に残されたのは寂しい空白だけ。そう、私はただ……ただ、寂しさの中で息をしている。


 ――だが翌日。


「見てくれ!」

「どうしたの父さん、こんな早い時間に」

「宝くじ当たった!」

「えっ……」

「し、しかも、しか、も……それが、一等! 大当たりなんだ!」


 転機が訪れる。


「え、ええっ……えええええ!?」


 思わず衝撃の声をこぼしてしまう。


「嘘みたいな話で、わたしも、なかなか信じられなかったのだが……事実なんだ! ほん、ほんと……本当に、当たったんだ!」


 こうして大金持ちになった私を含む一家は、より一層穏やかに過ごせるようになり、幸せを掴むことができたのだった。


 ああ、そうだ、そういえば。

 宝くじが当たったと聞いたラオがいきなり家へやって来て「今ならやり直してやってもいい」なんて言ってくる出来事があった。


 ……当然断ったけれど。


 お金が増えた途端に寄ってくる、なんて、最低な人間だ。


 そんな人は信用できない。

 そんな人は好きではない。



◆終わり◆

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