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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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前々から嫌ってきている婚約者が婚約破棄を告げてきました。〜身勝手なことをするとあの世逝きになりますよ〜

 妖精使いの才能を持っていた私は、婚約者アードレーマンから嫌われていた。


 そんなに嫌いなら婚約しなければ良かったのに。何度もそんなことを思った。それほどに、彼はいつも心ない接し方をしてきていたのだ。私の前での彼はとことん冷ややかで、まるで悪魔の手下であるかのようだった。


「お前なんてな! 何の価値もない! そんな女を嫁に貰うなんざ、一族の恥だ。よって! 婚約は破棄とする!」


 ある朝、いきなり呼び出されたと思ったら、アードレーマンから告げられたのは関係の終焉。


「お前みたいな無価値なやつ、俺の前からさっさと消えろ!」


 いつかは来る瞬間だと分かっていた。

 ゆえに驚きはそれほど大きくない。

 ただ、その時があまりにも突然やって来たものだから、そういう意味では少しだけ驚いたというのも間違いではない。


 ――と、その時。


「あいつなの! あいつが悪人なの!」

「サイテー男は仕留めるのよ!」

「あるじさまを見下す愚かな男なんて生きる価値なしなしなの!」


 私がこれまでに契約を結んだことのある妖精たちが突如大量発生。


「あるじさまを傷つけるやつは……こう! こう! なの!」

「やったれーなのー!」

「みんな! 好きなだけ虐めるのよ! 反省させなくちゃダメなの!」

「やーれーなのー!」

「ボッコボコにするのよー! あるじさまを傷つけるやつは許さないのー!」


 その妖精たちの手でアードレーマンは最期を迎えることとなったのだった。



 ◆



 アードレーマンに婚約破棄された事件からちょうど一年が経った日、私は、もう数ヶ月親しくしている資産家の息子である青年と婚約した。


 彼は思いやりのある人だ。

 だからどんな時も優しく寄り添っていてくれる。


 彼に出会えたことは私の人生における最大の幸福……と言っても過言ではないかもしれない。



◆終わり◆

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