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心の移ろい
詩のような作品です。
心の移ろいは曖昧なものね
水を含めた筆で感情という輪郭をなぞるかのように
柔らかな匂いをまとった
絵の具で弧を描くかのように
現在から遠ざかってゆく
ああどうして
いつも上手く言えないのかしら
そのうちに時が過ぎて
そのうちに時が流れて
想いも
愛も
ただ遠ざかってゆく
穏やかな川を眺めながらぼんやりするかのように
いつも穏やかな心でいられたなら……
でもね?
一度動き出した心は
決して止められないの
当たり前だけれど
なんてことのないことだけれど
揺らぎを無には還せない
そんなことは誰にもできない
そうよ
たとえどんなに偉大な人であっても
心揺れることはある
不動の心を手にすることは難しい




