婚約破棄されな日の夜、水を飲んでいると女神を名乗る女性が現れ……?
婚約者から暴言を吐かれ、容姿にまで心ない言葉を発され、婚約破棄宣言された。
そんな絶望の日。
上手く眠れず夜中に水を飲んでいると、目の前に急に女神を名乗る女性が現れた。
彼女は優しげに微笑むと「悪しき男に天罰を下しておきますね」と静かに呟くように言う。
――その発言は嘘ではなかった。
その時は話半分に聞いていた。
おかしな夢でもみているのだろうと思っていたから。
……けれども元婚約者の彼には本当に天罰が下った。
まず彼が可愛がっていたペットの犬が謎の死を遂げた。
それから彼の兄が元恋人に襲われ意識不明となってしまう。
さらに彼の母親が急に正気を失い近所の人を襲いそうになり逮捕。
……と、そんな感じで、元婚約者の彼は恥やら何やらで社会的な居場所を失うこととなった。
元婚約者の彼は、自分こそ生きてはいるものの、もう普通には生きてゆけない状態となってしまっている。
愛するペットを奪われ。
兄は亡くなったも同然で。
母親は犯罪者に。
そんな中で普通の暮らしをできる人間など滅多にいない――というものだろう。
◆終わり◆




