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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 5 (2025.1~)   作者: 四季


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穏やかな朝が来ることを当たり前と思ってはいけませんね。〜結果的にはこれで良かったと思います〜

 穏やかな朝が来る。

 それは当たり前のことだと思っていた。


 実際にはこの世界に当たり前なんてないのに。


 冷静に考えれば簡単に分かることだ。生きていく上で当たり前なんて存在しないと。けれども人は現在や日常に慣れるもの。そして、恵まれた今に慣れている時、人はその価値に気づけなくなる。いや、正しくは、それがあるありがたみに気づきづらくなるのだろう。


「他に好きな人できたら、お前との婚約は破棄するわ」


 婚約者エリオからある朝いきなりそんなことを告げられて。


「え……」

「お前といても面白くねぇし。お前といる意味がもうねぇからさ。ここまでにしよって決めたんだ」

「ま、待って。そんなの変よ。急過ぎるわ」

「けどもう決めたことだから」

「そんな、どうして……」

「しつこいな! だから言ったろ。他に好きな人ができたんだって。だから面白みのないお前みたいな女は要らないんだって」


 言いたいことはたくさんあって、けれども、それらの言葉を発する間さえ与えてはもらえず。


「じゃあな。バイバイ」


 穏やかな朝が来ると思っていたけれど、今朝は穏やかな朝ではなかった。


 すべてが終わる朝。

 信じてきた未来が壊される朝。


 あまりにも突然の……そんなお別れだった。



 ◆



 突然の婚約破棄から数年、私は通っていた動物園で知り合った動物マニアの男性と結婚した。


 好みが合う、というのは素晴らしいことだ。

 一見小さなことのようだけれど。

 それは関わってゆく上でとても大きな意味を持つ。


 同じ趣味があるからこそ、価値観が近いからこそ、私たち夫婦はどんな時も良きパートナーであれるのだと思う。


 で、あの時私を切り捨てたエリオはというと、あの後大層傷つく出来事に襲われたそうだ。

 惚れた女性と付き合っていたそうなのだが、酷く裏切られ。また、そのことについて話し合っている最中に多数の暴言を吐かれたそうで。

 その出来事によって彼は心を病んでしまったらしい。



◆終わり◆

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