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Vtuberの陰キャとギャルが百合する話  作者: 二葉ベス
第5章:いつものように幸せな毎日
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第69話:青の記念。企画といえば目隠しプレイ

:待機

:待機

:待機


 Vtuberを始めて、ようやく1年。1年経っちゃったんだよなぁ……。

 正直、始めた当初はここまで長く生き残るなんて思わなかったし、多分露草さんと出会わなければもっと早くに病んで活動を止めていたと思う。


 でも、彼女がここまで手を引っ張ってくれた。

 引っ張った先で新しい姿となり、隣を歩いてくれた。

 たまにはわたしが足を引っ張ったり、彼女がから回ったりもしたけれど……。


 わたしは結局、このギャルが居ないとダメみたいだ。


「はい、聞こえてる?」


:お

:キタ!

:キターーーーーー!!!!

:音瑠香ちゃん1周年おめでとう!!!

:くそ、なんでスペチャできないんだ!!


「えへへ、まだスペチャは……。いや、そもそもわたしが出来る様になるのかな」

「そこは頑張ってよ!」

「だって陰キャのわたしだよ! ギャルのオキテさんと違って、コミュ力ゴミなので……」

「ギャルを何だと思ってるのさ……」


:また漫才してる

:おきねるてぇてぇ

:ギャルって、なんだろうな……

:草


「って! いつまでも待機画面で終わらせる場合じゃなかった! はい画面変わる!」


 配信ソフトで画面を切り替える。

 フェードインして画面が切り替わると、華やかで盛大なBGMと共に2人のアバターと宴をモチーフにした背景が並ぶ。ちょっとちゃっちいかもしれないけど、イラストがギリギリすぎてそんな細部まで画面をいじれなかったんだよぉ!


「はい! そんな感じでこんねる! バーチャルいつも眠たい系Vtuberの秋達 音瑠香っです! 今日はちょっとテンション高いかも」


:こんねるー!

:こんねる!

:こんねるーーーー!!!

:確かにテンション高い。こんねる!

:こんねる! 挨拶に覇気がある


「挨拶に覇気があるって何さ。まぁ今日はそれぐらいテンション上がってるんだけども」


 我ながら今は1年の内に1番テンションが高い気がする。これから更に上がる時が来るとしたら、誕生日かクリスマスぐらいのものかもしれない。


「えー、今日はゲストをお呼びしております」


:誰だ?

:ダレダローナー

:誰やろなー

:何田世さんやろなー


「バレバレじゃーん!」

「ちょっと黙っててもらえますか、ゲストさん?」


:草

:草


 まぁ正体を隠していてもしょうがない気がする。

 ということでさっさと紹介してからいろいろと話すことにしよう。


「では今回のゲスト……! 朝田世オキテさんです!」

「おきてーーーーー!!! 朝だよーーーー!!! バーチャル目覚ましギャルの朝田世オキテだよーーーーーーーーー!」


:朝(夜)

:起きた!!!!

:朝だぞ!!!!!!

:朝!!!!!!

:夜じゃねぇか!!!!!


「はい、てことでいつものギャルです」

「扱い雑ー!」

「いいじゃないですか、わたしとあなたの仲なんですから」


:仲いいねぇ

:てぇてぇ

:良き


 ただ、ゲストを呼んだとは言えども、やることはあんまり普段と変わらないかもしれない。

 数日前までは疑心暗鬼に溺れていたし、イラストだって作業可能な時間で本気を出しつつ超スピードで書き上げたし。企画らしい企画というものを思いつく前に時間が来てしまった感じだ。


「で、何しようね」

「フッフッフ、そういう来ると思ってたよ音瑠香ちゃん!」


:ものぐさ認定されてて草

:このVtuber、1周年なのに何も考えてきてなかったってマジ?

:音瑠香ちゃん……???


「ぁいや、こういうのはとりあえずオキテさんに任せればいいかなぁ、と」

「ぶっちゃけ自分の枠なんだから自分で考えてよ、とは思ったけどねー」

「ぁ、すみません……」


:そういうところだぞ秋達音瑠香

:そういうとこなんだよなぁ


 最初っから投げっぱなしにしていたわたしが悪かった。

 2年目はちゃんとしようかな。ゲーム配信とかそういうのもしてみたさはあるが、わたしに求められているものはまったり雑談だと思うし、うーむ。

 それにしてもオキテさんは何を今回企画してきたんだろう。ワクワク半分不安半分。このわたしガチ恋勢は何を考えてきたんだ?


「音瑠香ちゃんと言えば、プロ並みのイラスト力! ということで、今からその実力を出していただこうかと思います」

「うん、その目隠しは何?」


 いや、無言でサムズアップされても。


「いや、何されるのこれから」

「目隠しゆるキャラお絵かき大会~~~~~!!!」


:草

:目隠し?!

:大草原


 え、何されるの今から?!

 目隠しっでイラストってことは、これはもしかして……。


「えーっと、これから音瑠香ちゃんにはこのアイマスクをしてもらって、指示されたお題を描いてもらいます。それが実際のゆるキャラと同じものかどうか、皆さんに判定してもらおうとー! 思います!!」

「い、いえーい……」


:イエーイ!

:目隠しプレイ!!!

:おきねる目隠しプレイ!!

:9割9分描けないに10万ジンバブエドル


 おい、それ初めて聞いたんですけど?!

 オ、オキテさんの前で目隠しするの? な、なんか怖いっていうか、身の危険を感じてしまうのはどうしてだろう?

 プライベートだったら……。まぁ、良いか悪いかと言われたらもうちょっと節操を持ってほしいものだが、配信中だしそんな変な真似はしないはずだ。企画の内容もまぁまぁ面白いし。


「ちなみに罰ゲームとかは……?」

「欲しい?」

「嫌だ!!」


:草

:草

:めっちゃ嫌そうで草


「まー、音瑠香ちゃんの記念日だしねー! 正解したらいいことしてあげよっか?」

「はぁ?!」


:あら^

:おっ!

:てぇてぇ……


「な、何。いいことって!」

「ひみつー!」


 こ、このギャル……。逆にいいことの方が怖い気がするのは何故だろうか。

 ま、まぁ。これは企画だし、そんなに過激なことはしないでしょう! 多分!!

 大人しくメガネを外してアイマスクを装備。うっすら見えるかと思ったけど、意外と高性能なのか何にも見えないや。


「ここが板で、こっちがペンねー」

「よ、よし……」


 大丈夫かなぁ。大丈夫だと思うけど、まぁ盛り上がるようにやるしかない!

 まずこの見えない状況下で描くことができるかが心配だけども……。

もうすぐ最終話かも

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