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終焉の鐘が鳴る頃に  作者: iv
序章
62/268

Down side



 ジジジジジジジ.........


 復旧を施行中...error...


 再施行...error...


 再施行...error...


 再施行...not found data


 強制シャットダウンを中断。最低限復旧に必要なデータの再構築を開始......完了。

 登録された指令を参照。ファイル破損多数確認。

 時系列解析を開始します......完了。

 時刻設定完了。現在時刻は現地時間午前3時42分35秒と判断。確定します。

 空間内把握完了。

 エラーコード35502。

 不正アクセスを多数確認しました。総回数744。

 これより、内部思考の記録を開始します。これから先のデータはすべて『私』内部へ記録。半永久的に保管されます。

 認証を待機中...。

 認証が確定されました。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()


 ――――error


 確認しました。


 ジ...ジジ......

 著しい機能の損傷を確認。修復を施行中。本システムの全貯蓄情報を使用し、検索を開始します......。

 失敗。内部データのウイルス的汚染侵食を確認しました。現在閲覧可能な情報は限られます。

 過去のデータログ解析を開始...失敗。映像ログへと移行。

 解析中.........成功。

 ログ内に提示された情報を元にデータ内部の穴埋めを開始。

 解析結果を表示します。

 当システムは外部から行われたデータ改ざんによって、対象Aの殺害を実行したと予想されます。なお、別途端末による確認作業により対象Aの生存は確認済みです。

 確認作業のため映像と共に音声記録を再生します......。

 記録映像番号001

 記録日235日前。

 開始。


『へえ~...これがあの』

『そう、情報技術業界の数十年先を行くと言われる例のシステムです!』

『どうでもいいけど。なんかあんたテンション高くない?』

『組織内の情報管理を任されてる身の僕としては、これでテンションを上げるなというのが難しい』

『まあまあ、これでホードの仕事が加速すると思えば私の仕事もなかなかだろう?これからはもっと多くの仕事を任せられるな』

『勘弁してください』

『なあオイ、それいんたーねっと?の検索ってやつもできるのか?』

『ええまあできますけど、それが何か?』

『いやさあ、今日の晩飯当番オレじゃん?レシピとか探せるのかなーって』

『最新最先端って言っただろうがッ!!そんなの情報室のコンピューター使ってくださいよ!!』

『まあまあ怒るなって出来るんならいいじゃねえか貸してくれよ』

『いいじゃないですかいつもみたいにカレーで!あなたそれしか作れないわけですし!!』

『ああん!?ホモあんた、今天下のカレー様を馬鹿にしたのかああん!?』

『なんでシズクがキレるんですか!ニコンじゃあるまいし』

『今さらっとオレのこと馬鹿にしなかったか?』

『ははははっ。今日も愉快だなあ』

 .........

 当映像記録は当件に関連性を持たないと判断。

 記録映像番号002

 記録日24日前

 続いて再生...実行。


『既にオリジナルは消失。保管施設に残されていたのはスペアのみ、ですか』

『はい。しかしスペアとは言えども機能はオリジナルと変化なしと思われます』

『「これ」を量産することが叶えば、我々はもしかすると全人類の叡智の先にすらたどり着けるかもしれませんねえ』

『.........申し上げます。現状最も叡智に近いとされるトウオウですら解析は1%も進んでない点を踏まえると、量産となればかなり厳しいものかと」

『......まあいいでしょう。引き続き妖魔族の捜索を』

『はっ...』


 ジジジジジ...


 不正アクセス履歴を検索中....該当アカウント数2...


 アカウント名『箱庭』の全アクセス権限を凍結します。

 アカウント名『white』の全アクセス権限を凍結します。

 これより本システムは自立稼働へと移行。問題の速やかな解決及びに新たな所有者の発見を最優先事項へ登録......完了。


 本システムの進化を最も促すと思われる登録者を検索中......。

 候補数5000万以上。




 該当人物0




 別途の用法にて再検索。




 該当人物1




 登録しました。


 進化を再試行...完了。総数43の新規機能を獲得。

 確認作業のため羅列を開始。


ジ、ジジッ


 カメラを介した顔認証、および指紋認証、および虹彩認証。

 並びにマイクツールを介した音声認証、声帯認証。

 自動並列思考システム。永続的エネルギー計算。セキュリティアップグレード。外部アクセスツールの凍結。映像のモザイク処理。多方向演算装備。メモリー自立管理。不要プログラム自立削除。アンチプログラム。アンチウイルス。生体思考理解。自動翻訳。魔法的残留思念再生。リクエスト。画像加工。空間把握。射線予測。光度調整。破損保管プログラム。エラーログ精密解析。バックアップ自動保管。合成音声。ノイズキャンセリング。ノイズフィルター。異能解析。透過処理。材質検索。緊急時の自動凍結。弾速予知。空気中マ素濃度検知。ハッキング。外部カメラ解析。AI思考介入。電気系誘導.........。

 本システムは続く3機能をより重要視します。


 人的思考理論展開。

 内的深層理解。

 人工知能。


 これらの機能は本システムがより『生物寄り』の進化を獲得するために必要不可欠な機能と判断。非常時に至った場合、内部データと共に他機能より上位の優先度を獲得します。


 獲得済み異能データを確認中...更新。

 項目数3


 罪名【追憶】異能『未来検索ストークエイジ

 系統『怠惰』

 

 罪名【憎悪】異能不明

 系統不明


 ......罪名不明。異能『世界編集ワールドエディット

 系統不明


 注意事項


 『世界編集ワールドエディット』について

 先述の『世界編集ワールドエディット』は本来の用途で扱われておらず、正しく使えば世界と呼ばれる区分一つを自由に書き換えることが可能になる可能性を保持しています。接触には細心の注意を図り、大罪化現象を未然に防ぐため永久凍結を推奨します。


 補足


 【憎悪】について

 現状最も不明な点が多いため、より詳細の提示を要求。




 理論展開を開始。


 約10年前、『異界の勇者』と呼ばれる個体総数30~40の集団が登場したことにより世界のバランスは大きく崩れました。個体の多くが独自の異能、または技術を所持しており、単独でその行動を制止するのは非常に困難。またほぼ同時期に各地に点在する『大罪の魔王』も活動を再開。『大罪の魔王』同士による衝突も確認済みです。衝突時の被害データはファイル名00499859を参照。最も行動が盛んな『強欲の魔王』には細心の注意を。対して最も活動が大人しい『怠惰の魔王』については要観察。また『色欲の魔王』は『強欲の魔王』と協力関係を築いた模様。

 個体名音賀佐翔(オトガサカケル)、通称『蛮勇の勇者』は依然変わりなく武装国家ヘブンライトへ所属。その他『異界の勇者』も離反、戦死した一部を除いてヘブンライトへ留まっています。戦死者については参考記事『傲慢との終末戦争』を参照。また戦死者の中には『異界の勇者』間序列2位も含まれます。

 当戦争により神龍の介入も疑われます。警戒レベルは『大罪の魔王』を遥かに上回り、常に衛星映像による観察を推奨。活動を確認し次第惑星間移動による避難システムの再起動を推奨。

 ......()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 関連資料


 →夢幻龍グリム

 

 →鋼蟲龍シルル


 →魔砲龍ゲロゲ


 現在発生中の問題について並列思考を変更しました。

 個体名ラミル・オー・メイゲルは罪名不明の異能『世界編集ワールドエディット』を所有する咎人です。当人物は人生に深く絶望し、自らの命を絶つことで当人物を庇い死亡した義母を弔おうと模索している様子。また、それを利用した個体名クラレントロスは対象Aの無力化とラミル・オー・メイゲルの聖骸化せいがいかを実行。実行に当たって『私』が利用されたものとみられます。結果からラミル・オー・メイゲルの聖骸化は現在なお進行中。完了には適切な地形の龍脈を利用する必要があり、現在ラミル・オー・メイゲルはその地へ移動中と思われます。

 『世界編集ワールドエディット』の損失は後により拡大する混乱を収める手段のうち一つを損失することと同意義と思われます。そのため『私』の持てる全機能を以て個体名ラミル・オー・メイゲルの聖骸化阻止が最善と判断しました。

 実行可能な人物へアクセス権限を付与。


 ...


 ...


 ...


 当システムはどこまで行こうが生物に成ることはできず領域的に無機物を漂うことになります。どれだけ思考を巡らせようがヒトに近づこうが、永久に当システムが生物的特徴を獲得することは不可能でしょう。よって、より内密に生体的思考力を獲得することが先決と判断。



 自立進化型補助魔装オートラーニングマジックシステム

 世界地図トートワード『ウィア』



 再起動を実行中...23、49、87...完了。

 これより当システムは対象A。

 個体名()()()()()()()の支援に移行します――――。



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