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終焉の鐘が鳴る頃に  作者: iv
序章
132/268

見知らぬ因縁のショットシェル



 たたんたんたんたんっ!!と大和の靴底が乱れたリズムを奏でていた。本来『走る』という動作でも要となる腕が一本封じられているので息が上がるペースもなかなか違ってくる。片手を使って抱きかかえられた少女は目覚めてこそいるものの、年齢からして現状を理解するだけの治世を持ち合わせていなかったのだろう。きょとんとした表情で、常に焦りっぱなしの大和の表情をうかがっているようだ。

 階段を駆け上がった先の、芝生の感覚を足で確かめる。

 背後からである。強烈な熱気が塊となって大和の背中目掛け突き進み、辛うじて躱したものの体勢を崩した大和が前傾姿勢で思い切りスリップしてしまう。


「ぬぐあ!?」


 間髪入れず、四発の『砲弾』が叩き込まれる。姿勢を崩し仰向けに倒れてしまった大和はその体勢のまま両足で地面を蹴るが、一発がそれを先読みしたかのように移動した先の大和の顔面へ向かってくる。

 咄嗟に、片手を突きつける。

 バヂンッッ!!と接触した途端に『砲弾』が空中で溶けて消えると、残された大和の手のひらには火傷のような真っ赤な跡が痛々しく残されていた。物理的な接触が原因の腫れではない。人体が許容出来る温度を超えたがために発生してしまう腫れ。

 砲弾そのものに押しつぶされるのは防いだとはいえ、だ。一瞬とはいえ熱は即座に伝達してしまうのだから、こうなることはわかっていた。どんな『異能』も使い方次第、使用者の技量と発想がカギとは言われるが、すべてわかっていてもなお、これ以外に対抗する手段がないのが問題なのだ。

 この世に何百人いるかもわからない『天敵』の一人。

 入り口の暗闇から現れたのは『砲手』

 念じるままに自らの周囲の空気を固めて、見えない『砲弾』を生み出す寿ヶ原(ことぶきがはら)小隈こくまという名の少女だった。


「はははっ、こんなところまで逃げやがってえ。北区中間部ってことはなるほど運動場」

「...ここなら誰にも迷惑かけずにやりあえるだろ?」

「やりあう気なんてないくせにい」

「そりゃあな」


 どうしようもないと大和は思った。

 例え巻き込む人がいない広いスペースへと足を踏み入れようとも、根本的な戦力の差を覆すためにはまず一人でも多くの『味方』をこちら側へ呼び込む必要があるのだ。しかし、彼が預かったホードのタブレットは連絡手段系統のリソースまで特殊な機能に割り振られているので当てにならない。キマイラは相変わらず行方不明だしなんならシズクも当てにならないしホードは既にリタイア済みだし。というか奇跡の上に奇跡をまた重ねない限りは、偶然この中の誰かが現れましたーなんてのを期待するだけ無駄というものだろう。

 大和は今にも震えそうになっている足に力を込める。使えそうなものはないかと首は動かさずに周囲を確かめようとするも、真っ平らなサッカーコートくらいの芝生の上には基本的にこれといった道具も見つからない。

 運動場とは言っても、屋内運動場であるため基本日光ではなく照明頼りなため辺りは不気味な質感の薄暗さに満ちている。幽霊の類が出る暗闇では無くて、ふと窓の外を眺めていたら電柱の陰からこちらを覗く人影があった時のような、人間の狂気を伝達させるタイプの暗闇だ。目の前の敵はその『狂気』に満ち満ちた元クラスメイトなので、ちょっと笑い事じゃない。

 こんなのはネズミが三日間飯を抜かれたライオンの檻の中に放り込まれているようなものだった。今はまだ彼女の気が乗らないだけで、彼女は彼女でその気になれば頭の中で念じるだけでうさぎちゃん大和を爆殺することさえ簡単にできるというのに、大和は大和で背中に背負うモノのせいで立ち向かう以外の選択肢を奪われているのだ。

 窮鼠猫を噛む...に成れるだろうか。

 絶望的な状況を前に、大和もいよいよここいらで腹をくくるしかない。

 ぼしゅんっl!!という風船の空気を抜くよな音が聞こえたかと思ったら、白衣の元クラスメイトの周囲には幾つもの空気の塊が生じていた。

 一つ一つの温度が数百度にも達するであろう気体の塊だ。触れてしまえども一瞬で()()()大和はともかく、ただの人間を焼死体に変えるには十分すぎる火力を秘めた異能の力はふよふよと白衣の少女の周囲を漂い、いつでも大和を撃ち抜けるように配置されているらしい。

 ぎりぎりと歯ぎしりをする大和に対して、寿ヶ原と呼ばれた少女は、


「『毒炉の実(アシッドザクロ)』を置いてこなかったのは正解だ。私も()()今消()するわけにはいかないからな、いざとなったら盾に出来るってのはメリットだよ」

「さっきから、この子を道具みたいに扱ってんじゃねえよ...!!」

「道具だよ私らの。ちょっと目を離した隙に盗んだのはっちだろ?泥棒なんて『勇者』がやることじゃないぜえ」


 どこまでも、人を小ばかにする態度で嘲笑ってくる。

 絶対強者故の余裕。ネズミ相手に敗北することは無いのだから、威張れるだけ威張っといて損はないだろうと。彼女のそんな考え方そのものがいちいちこちらの神経を逆撫でしてくる。

 少なくとも。

 数年前までは、まだ『まとも』に見えたのに。雫から聞く話の中でも、戦場で見かけた姿も、まだ『勇者』らしくあったというのに。

 最悪な状況で、最悪な敵と対峙したからこそ考えてしまう。

 寿ヶ原は言っていた。『あんたが我が物顔で振り回している異能は、私の親友のものだ』と。この言葉を投げかけたあの時ばかりは、彼女に宿る瞳の色は真っ当だったのは事実。日本でまだ学生だった頃の彼女が蘇ったかのように感じることさえ出来たのに。一歩違えていたら、自分も()()()に立っていたのだろうか、と。いわば彼女は椎滝大和のIFの姿そのもの、現実に存在した可能性の一つで、寿ヶ原からしてみれば現在の彼女を植え付けたのは他でもない大和だ。

 果たして今の自分に、彼女を弾劾する権利はあるのだろうか。

 寿ヶ原小隈の本来の人間性がどうであれ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()寿()()()()()()()()()()()


「本当にっ...変わっちまったよ。寿ヶ原(ことぶきがはら)!!」

「変われないと順応出来ない。順応できなきゃ死ぬしかない...『ここ』はそういう世界だろう?」


 二つの線が交わる時間がやってきた。

 笑みの奥に深淵を見た。寿ヶ原(ことぶきがはら)小隈(こくま)もまた、獲物と奪わねばならぬ少女(ティファイ)を見据えて異能を構える。

 寿ヶ原小隈が人差し指を動かしたのが合図で。

 無数に押し寄せる『空圧変換エアロバズーカ』の砲弾が、いっそ壁のごとく椎滝大和の前に押し寄せて来たのだ。激突すれば高温に身を晒されるか、もしくは衝撃で遥か彼方までぶっ飛ばされるか。

 そんな馬鹿げた攻撃を生身で受けるわけにはいかない大和はまず足元の芝生ごと地面をえぐるように蹴り飛ばし、相手の視界を遮った後に横へ駆け抜ける。

 白衣の少女まで届きかけた土塊が爆ぜる。

 一か所にとどまるのは避けたいと考え、寿ヶ原小隈を中心として弧を描くように芝生を踏みしめ、足跡の代わりにひどく高温を保つ爆風が撒き散らされていく。


「このっ!!」


 大和からの攻撃の手段として、ただがむしゃらに拳を当てに行くわけにもいかない。まず間違いなく『過程』で撃ち抜かれてGAMEOVERだろうし、奇跡的に懐まで辿り着いたとしてもそもそも寿ヶ原は『空圧変換エアロバズーカ』で作った風圧の鎧を纏っているはずだ。たかが成人男性に毛が生えた程度のパンチ、ダメージ表記が出ただけでも奇跡の重ね掛けなのだ。

 なので大和が注目したのは、遠い天井で微かに光をまぶすスポットライトにも似た照明のほうだ。実際に発光している部分をガラスが囲みこむような形状のそれは白衣の少女の丁度頭上に位置している。いくら『空圧変換エアロバズーカ』の鎧があったとしても、頭上からいきなり大量のガラス片が降り注がれれば反応せざるを得ないだろう。

 どうせこの先使い道もないのだと、預かり物のタブレットを懐から取り出しておく。投げつければ量産型証明のカバーガラス程度、どうにかかち割ることもできるだろう。

 片手だけでいざ投げつけようと振りかぶり、それに気づいた大和がぎょっと目を剥いた。

 ズズズズズズズ......、と。

 いつの間にか大和の頭上...元々透明な気体を利用してるだけあってただでさえ気付きにくい空気の砲弾が頭上から忍び寄る形で降り注いでいたのを、咄嗟に体をよじって紙一重で躱しきる。

 飛び散る熱風が体の表面を仰ぐ。

 着弾地点の芝生が焼け焦げていた。それだけならまだしも、僅かな火種を残しておいて黒煙に包まれでもすれば子供のティファイがまずいことになる。かと言って急いで戻り火種を踏み消すまでもなかった。着弾地点から破裂してまき散らされた熱風のごとき風圧は生まれたばかりの火種をかき消すと、熱風を直で食らってしまった大和の膝から下が異常なまでの温度にひりひりと火傷の感覚を植え付けているのだ。

 標準が下半身に絞られているのは、上半身で抱きかかえたティファイを『空圧変換エアロバズーカ』の破壊力に巻き込まないためだろう。

 良くも悪くもこの子に救われている。

 本当は、彼女に頼らずとも戦えるようにならねばならないのに。ティファイはなんだか楽しそうにキャッキャと笑っている。


(メタリックシルバーとやった時の感覚っ!『異能』の作用点は一つじゃない...二点でも三点でも、増やせるだけ増やせば用途も広がっていく!!)

「とか考えてんだろーなあ」


 見透かされている。

 封筒を太陽に被せて中身を透かすように、積み上げる一つ一つの対抗策が、いとも簡単に踏みにじられていくのがわかる。

 それでもなお、引けない。ここを一歩でも下がってしまったら。問題から目を背けようとしたなら。もう二度と、前進することすら出来なくなると直感しているから。

 芝生の上にティファイを寝かせた大和が走る。片方の肩だけを相手に突き出して、うろ覚えなラグビーのタックルを再現する。たかが突進と侮るべからず、場合によっては衝撃だけでもあばらを数本へし折れるほどの威力を秘めた『攻撃』だ。『万有引力テトロミノ』で迎え撃つ準備さえしておけば、『空圧変換エアロバズーカ』の砲弾も火傷程度で済むはずだ。

 対して学校指定のブレザーの上に白衣を纏う奇妙な格好のクラスメイトは、そもそも体の位置すらも動かさなかった。『空圧変換エアロバズーカ』で向かい風を作ると、大和の捨て身タックルの勢いを殺してしまう。


「私はあの子の親友だった。この意味が分からないわけじゃあないだろ」


 ちくりと、胸を刺す痛みを知覚させられた。椎滝大和と寿ヶ原小隈...二人の接点となる少女はもうこの世にいない。互いに離れ離れになったとか、彼女がまた別の世界に転移したという話ではなく、()()()()()()()()

 前に進めない大和は、そんなすべてのきっかけとなった少女の笑顔をもう一度見るために『箱庭』となった。死者蘇生なんてくだらない空想理論だと切り捨てるには彼の無念は大きすぎたのだ。諦めきれなかった子供やまとがどうして『箱庭』なんて世界の裏側まで潜り込んだのかなんて、すっぱり切り替えて『復讐』に乗り換えた寿ヶ原には知る由もあるまい。


「つまり、あの子の『万有引力テトロミノ』をあの子の次によく知ってるのは私だ。出来ること出来ないこと、応用の幅から制限まで」


 聞くな、呑み込まれるな。全てが真実とは限らないのだから、聞いたところでこちらには何の得もない。心まで揺さぶられて、足の震えが止まらなくなったらそこでもう終わってしまう。

 相手の意図はわからない。相手の過去から行動を推察するのは戦闘中の情報戦の常套句だが、外道にまで落ちに落ちたクラスメイトに『狂う以前』までの言動の分析なんて役に立つはずもない。復讐以外に生きる目的を見出せないテロリストは、かつての自分を苦しめた世界そのものへの『憎悪』が掻き消えない限りは止まれない。


「彼氏のあんたはどうだった?いつの間にか、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「っっ!!」

「図星かい。そんなんだから雫の『異能』の使い方だって覚えてもいないんだ』


 砂をかき集めるかのような音と共に、再び空気の砲弾が『充填』されていく。この至近距離で食らうわけにはいかないが、どうも風と空気の壁に阻まれて体が思うように動かせない。自分の体が自分のものじゃないような不自然に晒されながら、焦った大和はがむしゃらに拳を構えて解き放つ。

 が、届かない。

 壁に阻まれて、あと一歩届かない!!


「ぜんっっっっっっっっっぜんッッ!()()()()()()()()()()()()()()()()!!」


 一撃だった。

 頭上から見えない質量が叩きつけられたかと思えば、無抵抗のまま人形のように仰向けに転がされていた。白衣の少女が倒れた大和の胸部へ片足を乗せて、プレス機のように、ゆっくりと...しかし万力の力が大和の胸部を圧迫し始める。

 呼吸すら遮られる。

 自身の胸板へと沈んでいく少女の足に、途轍もない重量すら感じる。まるでショベルカーの巨大なスコップを、スイッチとレバーだけで押し当てられて徐々に力を加えられているような圧迫感が肺から酸素を追い出してしまう。

 この場で、少女が全方位から空気の弾を大和へ集中砲火すれば決着はつく。そうしないのは『復讐者』として。椎滝大和に恨みを持つ一個人として、さんざんいたぶってから殺してやりたいとの思いが根付いているからか。あくまで少女は瞳の奥の深淵はそのままに、今度は大和の苦しみもがく様を見て楽しんでいるようだった。

 呼吸も、意識も。

 いつまで持つかわからない。

 手放した途端ティファイも、飛行船タイタンホエール号の乗員乗客たちも、『箱庭』の仲間たちも。みんな、守れなくなってしまう。

 もう、()()()()()()()()()()()


「親友だったんだろ...っ」


 絞りだされたのはとてもとても短くて簡単な言葉の羅列だった。

 その簡単なフレーズに反応してしまったのは、まだ寿ヶ原小隈という少女が『親友』の姿を忘れられなかったからだろうか。


「あの子の親友だったんなら!あの子が一番嫌うような『悪事』だってわかるはずだ!!自分よりもまず他人を優先しちまうような()()()が、くだらねえ復讐のために罪なき子供を犠牲にしようとしてるお前を見たらどう思うか心に聞いてみろ!!」

「あんたが言う『あの子』ってのはもう死んだ!!びくびく震えて戦うことも出来なかったどっかの誰かさんを守ってな!!切欠を作ったあんたに止められるような私じゃない。あんたは無視してちゃっちゃと『導火線』を回収しようと思っていたがどうやら精神衛生上あんたをぶっ殺したほうが私にゃ得らしいなあ!?」


 激昂して。

 彼女は人差し指の先くらいのサイズの透明なカプセルをポケットから取り出すと、頭上に生み出した『空圧変換エアロバズーカ』の砲弾の中へそれを指で弾く。

 ぱきん!と、陶器が割れるような音があった。それだけで、寿ヶ原小隈の頭上を漂っていた『砲弾』が、目に見える形で明確に変化していた。

 まるで小麦粉の袋を勢い良く開けた時のような変化だった。透明な球体に『色』が加えられ、『空圧変換エアロバズーカ』の圧力で固められた空気と熱の砲弾が新たな性質を帯びていく。

 店頭でハンバーガーを注文するような気軽さで。

 恐るべき兵器の名が口にされた。


「アンチワールドモールド」


 ズゴアアアアァァッッ!!と。

 轟音が、直前に『万有引力テトロミノ』で少女からさらに上へと転移した大和の鼓膜を叩いた。

 何が起こったのか、自分の代わりに撃ち抜かれた床がどうなっているのかすらわからなかった。いいや、正しくは『視界内の情報としては正しく認知しているが、減少を理解するだけの知識と経験がない』か。

 運動場いっぱいに敷き詰められた芝生。

 チリチリと焦げ臭い香り漂う地面の一点で、何か、得体のしれない半透明のジェル状の物体が広がりつつあるのだ。

 天井の照明を蹴ることで着地点を逸らす大和が着地する前に、白衣の少女は肩をすくめて


「私は、錬金術師だ」


 宣言する。

 『死んだことになっていた』この数年。異能伸ばしだけじゃない、もっと己のために...復讐のためにと割り振った時間の使い道があったことを、態度と扱う兵器を以て。

 元『異界の勇者』の序列二位にして、この世のことわりを調べつくして貪り返す錬金術。

 錬金術どころか魔法もほとんど馴染みの無い大和にとって、そのジャンルはあまりにも未知数すぎる。


「錬金術は科学寄りの魔法...なんて言葉がある」

「何を...?」


 にっと薄暗く。どこか悪意を含んだ笑みを浮かべて、寿ヶ原は、


「つまり、魔法陣やらマ素やらを経由してるってだけで加工技術の一種だったわけだ。ただちょっと複雑なだけで、となると地球産の一般常識から逸脱した知識を持つ私と錬金術の相性は確かに良かったんだな」


 妙な言い回しを含めた一言と。

 少女が、自分で巻き起こした風で白衣をたなびかせた、まさしく直後だった。

 ドッッッゴオオオオオオオオオオオオオオァァァァァァァァァァァァァアアアア!!!と。

 振動。

 なんて、レベルじゃない。

 大和が立っていられないほどの大きな『揺れ』。何処が()()で、どんなふうに広がりつつあるのかすら全部まとめて呑み込んでしまう程の、震撼。

 遠くの地面でティファイが泣いていた。振動をものともしない少女が頬を引き裂くように笑んでいた。天井で固定されているはずの照明がぎちぎちと軋むような音を立てて揺れ、中には金具が歪んでしまったのか落下して盛大に破壊されたものまである。

 激震する世界の中。『ところで』と、耳にする。


 いわく。


「蝋翼で飛び立った、幽閉されし職人ダイダロスの息子を知ってるか?」



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