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死の勇者TS陰子は異世界帰還者である  作者: ぎあまん


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 最終的に霧のレベルは98になった。

 ダンジョンの方は二十三階まで到着した。右手法だと遠回りになるような意地悪な階が多かったのが原因だな。

 念のためにポータルストーンも置いといたので同じ場所からの再開は余裕だ。


「で、どうじゃ?」


 会場で食事をしながらオークションが始まるのを待っているとエロ爺に聞かれた。

 そういえば黄金のランダムボックスの件がどうにかなりそうだというからレベル上げに行ったんだったな。


「そうですね……なんとかなるかも」


 霧よ。エロ爺相手に言葉遣いを気にしなくてもいいぞ。


「ただ、ちょっと試してみたいから、すぐには開けない方がいいですね」

「試すならちょうどいい物を手に入れただろ」

「え? ああ……宝箱?」

「そうそう」


 アキバドルアーガで拾った宝箱だ。

 ランダムボックスじゃないだろうが、中身はまだはっきりしていない。霧がなにをしたいのかわからないが、実験台に使えるのではなかろうか。


「そうね。試してみる価値はあるかも」

「なら、とりあえず目当ての物を競り落とすとしますか」


 今夜のオークションには魅力的な物はない。それは他の連中も同様なのか会場に集まる視線の数は少なく、普通に食事を楽しむ連中の方が多かった。

 黄金のランダムボックスは五番目に出品されて、俺が六千万円で落札した。

 そして目的を達成し部屋に戻るのだが、今回はエロ爺の部屋に集合となる。ホーリーが付いてきたがったが追い出した。あいつの手助けをするがこちらの手札を見せる気はないのだよ。

 その名の通り黄金の宝箱をテーブルに置いたが、まずはその前に実験だ。

 俺はアキバドルアーガでゲットした宝箱を出した。四時間荒らしまわって全部で十二個。

 だが残念ながら軽く【鑑定】をした結果、その内の半分が罠のみだった。開けたら毒ガスを吹き出したり爆発したりするタイプだ。

 で、残りの宝箱だが……。


『アキバドルアーガの宝箱(標準)』

 アキバドルアーガでランダム配置された標準的な宝箱。中身は不明。


 ダンジョン名が通り名的なアキバドルアーガで固定されているのが気になるが、それよりも中身が不明というのが気になる。

 どれだけ深く【鑑定】しても不明のままなのだ。【透視】も通用しなかった。中身がないように見えるのだ。


「で、どうするんだ?」

「織羽、宝箱に手を当てて」

「了解」

「まだ開けちゃだめよ」

「ああ」


 霧は宝箱に手をかけた俺をじっと見る。


「次に「いま」って言ったら、開けて」

「わかった」

「………………………………いま」

「ほい」


 開けた。中身は兜だ。

 金色の洋風な兜。

 俺が【透視】したときにはなにもなかったのに、いまはちゃんと兜が入っている。


「おお?」

「こういうことなのね」

「どういうことだ?」

「この宝箱もランダムなの」

「なに?」

「宝箱を開けた時のあなたの未来が見えるんだけど、そのほとんどは青水晶だったり小さな宝石だったりするの」

「へぇ……」


 試しに金の兜を鑑定してみる。


『神人の兜』

 かつて存在した神人の能力を模した宝具。揃えることでその真価を発揮する。

 防御力+30


「セット装備みたいだな。残りの宝箱で揃えられるか?」

「やってみましょうか」


 というわけで挑戦してみた。

 出てきたのは鎧、籠手、靴、剣、盾……。


「揃ったな」

「揃ったわね」


 揃ってしまった。


『神人装備』

 かつて存在した神人の能力を模した宝具。

 攻撃力+150/防御力+200/全能力値+30/長寿/状態異常耐性上昇(極)/生命力・魔力自動回復(中)


「これ売りだしたらけっこう良い値が付きそうだな」

「確実に付くでしょうが、売るのは愚か者だけでしょう」

「ふむ」


 だが俺はいらない。

 性能は良いが、こんな金ぴかが許されるのは百が付くMSだけです。あっ、スモーも許すかもしれない。

 そもそも長寿ってなんだ?

 あの鎧を着ているときだけ長生きできるのか?

 エロ爺が着たら「脱いだら死ぬかもしれん」とかならんか? 昔話かドラ〇もんみたいな皮肉はいらんよ。


「霧、いる?」


 一番の所有権を主張できるのは彼女だ。


「え? いらない」


 真顔で拒否した。


「能力は魅力的だけどその外見は……」


 だよな。

 そうなるよな。


「まっ、とりあえずこいつはアイテムボックスの肥やしだな」

「「ああっ!!」」


 神人装備をアイテムボックスに放り込むとアーロンたちが惜しんで声を上げる。

 が、無視。


「さて、それじゃあ本命をやってみるかね。いけるか?」

「ええ、大丈夫」


 霧が頷くのを確認して、黄金のランダムボックスに手をかけた。


「…………」


 霧がじっと見つめる。

 見つめる。

 見つめる…………。


「ごめんなさい」


 やがて霧は首を振った。


「どうした?」

「その宝箱に杖はないわ」


 眼鏡をはずして目頭を押さえながら、霧はそう言った。

 彼女の話を聞く限り、時間とともに変化する未来を読んでいるみたいだ。

 それってスロットの目押しみたいなものだろ? パチンコのスロットはやらないがゲームでそういうのはしたことがある。あれは目が疲れるからな。


「どれだけみて、あなたが杖を持っている未来が見えてこないもの」

「なるほどな」


 全てがランダムの中に組み込まれているわけでもないのか。

 やれやれめんどうな。

 俺は指で弾いて宝箱を開けた。

 中から出てきたのは血のような赤の玉だった。



『太祖の血塊珠』

 吸血鬼の王の力を凝縮させた珠。





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