133 ヒロインは誰だ?
ニースは意味ありげな笑みを残して帰っていった。
コーヒーショップを出て、そのまま姿を消したのだ。
こんな短時間の滞在なら着替える必要もなかったのではなかろうか?
いや、本当に帰ったかどうかもわからないな。
案外、一人で異世界を満喫しているのかもしれない。
霧の言葉もある。
謎を残したがる面倒な師匠だと俺はため息を吐いた。
謎といえば霧の言葉の件もあるな。
いつの間に向こうの言葉を?
「……織羽、私からも言いたいことがあるの」
「うん? なんだ?」
迎えに来てくれた千鳳の運転でホテルに戻っていると霧がこちらを見た。
じっと……めがね越しに熱い視線を向けてくる。
どうしたどうした?
「待つ女なんて演じたせいで、いま私、とっても欲求不満なの」
「よしきた」
その言い切り方は世界中の待っている女性に謝るべきではないかと思わないでもないが、結論はウェルカムだ。
「千鳳さん、ちょっとマンションの方に戻るから、ヤーナをよろしく」
「……はい」
ミラー越しに千鳳の顔が真っ赤になっているのがわかる。
意外に初心なようである。
「じゃっ」
「さっさといけ」
フェブリヤーナに鬱陶しそうに追い払われて、俺たちは【転移】で以前のタワマンに戻った。
そして数時間後。
「あふぇ……」
燃え尽きた。
変な声しか出ない。
アヘ顔ダブルピースなんてまだまだ余裕がある奴のすることだったんだな。
不完全燃焼なんてどこかに消し飛んだ。もはや消し炭さえも残らない。
下半身がエロい汁でテカテカだ。時間が経つとカピカピである。
「ふう」
その一方で霧はやり切ったいい笑顔である。
本当に、エロ勝負で霧には勝てない。体力無限(夜戦限定)みたいなスキルでも持っているのだろうか?
いや、それだけじゃないよな。
テクがすごい。
自分でも知らないような敏感な場所を的確に突いて来る。
まったく、どんな能力を隠し持っているのやら。
気になって仕方がない。
だけど……。
見てみたい……が、見れない。
実はちょっと前から霧を【鑑定】できなくなっている。
彼女が弾いているのだ。
俺の【鑑定】を弾くなんて成長したものだと感心するばかりだが、それにしたって急激な成長だ。
これは、もしかして……?
【瞑想】の果てにまで行きついちまったのかな?
「……霧が神様になるんだとしたら…………」
「え?」
「絶対にエロの神だな」
間違いない。
無敵のエロ神である。
「……そう。そういう風に思っているのね」
「この結果からどう思えと……うひゃほひゃほおっ!」
いきなりズボッと!
そこはまだ未知の世界だぞ!
「ちょっと霧さんや……ほへはぁ」
「なら、とことんまでいってみましょうか」
「ふはひはへぇ」
ちょっ、まっ、やめっ!!
そこは入るところじゃないって!
ああ、なんかバカになるぅぅぅぅぅぅ。
さらに数時間後。
「もうぼどぼどよぅ……」
穴という穴が締まらなくなった。
もう栓なしじゃ生きていけない。
「まっ、すぐに治るけどな」
魔法でちょちょいである。
「だけど、こんなの普通の人にしたらあかんよ? 一晩で廃人ができあがるっての」
「あなた以外の誰にもする予定はないわよ」
じろりと睨まれた。まだまだ元気な霧さんである。
怖いわー。
それはそれで怖いわー。
霧さんの無限の性欲を俺一人で受け止めるのか。
普通、逆じゃね?
主人公のエロパワーを受け止め切れなくてヒロインが増えていくというパターンは見たことがあるが、ヒロインのエロパワーが強すぎて主人公が相手を増やすことを考えるとか…………。
あれ?
ていうことは俺って実はヒロインポジだったんじゃね?
やべぇ、気付かなかった。
いつから主人公だと勘違いしていた? っていうことだよな?
うわっ、恥ずかしい。超級の黒歴史扱いの勘違いだ。
仕方がない、これからは霧の正室としてハーレムメンバーを管理する側に専念するとしよう。
「がんばれハーレム主人公」
「……腕一本じゃ足りなかったようね」
「いやぁもう今夜は勘弁してください」
ていうかもう朝だよな?
これ朝だよ。
「頑張りすぎだ。霧さんや、どれだけ欲求不満だったんだい?」
「まだまだ足りない」
「うひぃ」
そう言って近づいてきた霧は俺の唇を撫でるように奪っていった。
「でも、今夜はこれで勘弁してあげる」
「ははは……」
今夜と来た。
だからもう朝なんだって。
え? つまり次の夜も同じことが起きるのか?
「もっと激しいのよ」
「やべぇ、やべぇよ」
これは本気でハーレムを作ることを考えた方がいいかもしれない。
しかしたとえ増やしてもメインヒロインの座だけはなんとかして守らなければ。
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