表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/111

せ、瀬戸内のマーメイドだと……

 それにしても、全裸の女神と水遊びをしてる日本人って私くらいだよね。

 ということでミュウちゃん脱がそう。


「ミュウちゃ~ん!」

「ふえ?」


 私は突然叫び声をあげながら、ミュウちゃんのいる方へジャンプしようとした。

 しかし、いけないことはできないようになっているのか。

 足がつりました。


「痛いよ~!」

「どうしたのお姉ちゃん!」


 泣いてわめく私を見て、慌てて駆け寄ってくるミュウちゃん。


「ひゃわっ」


 そのミュウちゃんも何かに足をとられたのか、私にむかって倒れかかってくる。

 つった足を放置してその体を受け止めたものの、耐えきれず転倒。


「大丈夫ですか? ここは瀬戸内のマーメイドと呼ばれた私に任せてください!」


 せ、瀬戸内のマーメイドだと……。

 絶対嘘じゃないですか。

 でもとりあえず助けてください。


 私たちふたりは、ユーノさんによって鮮やかに回収されて浜辺に戻ってきた。


「ありがと~、ユーノさん」

「無事でよかったですミュウちゃん、イチゴさんも大丈夫ですか?」

「痛いです~」


 無事に戻ってこれたものの、足がつったままだ。

 座って足を伸ばしてるのに何度もつってしまう。


「とりあえず私の魔法で治しますね」


 ユーノさんが私の足に手をかざすと、そこが光に包まれる。


「およよよ?」


 なんだか温かくてくすぐったい。

 すぐに痛みはひいていった。


「治りました~」

「よかったです」


 でも夢の世界で足がつるとは思わなかったよ。

 変なところでリアルなんだから。


「お姉ちゃん、運動不足なんじゃ……」

「もしくは栄養が足りていないとか」

「うう……、筋肉疲労じゃないですかね? ね?」


 運動不足はこの世界に来てから大分解消されているはず。

 しかし栄養については自信がないね。


 なぜだか甘いもの率がものすごく高いし。

 そろそろサプリメント生活でも始めますか。


 そんなことを考えながら、ふと視線をそらすと、すぐ近くにお店があるのを見つけた。


 いかにも海の家って感じの建物だ。

 人の姿を見かけないけど、営業してないのだろうか。


「あそこでちょっと休憩しませんか?」


 足がつったばかりで、水遊びをする気力を失った私はふたりに休憩を提案する。


「うん、また足がつったら危ないし、休憩しよ」

「そうですね」


 ふたりともやさしいなぁ。

 ということで海の家まで移動する。

 一応自分ひとりでも歩けるけど、ユーノさんが肩を貸してくれたので甘えることにした。


 私のすぐ近くで揺れる生の果実は魅力でいっぱいだ。

 思わず吸い込まれそうになったけど、なんとか思いとどまって無事に海の家までたどり着いた。


 この海の家は海の上に建っていて、扉も壁もほとんどない開放的なお店だ。

 そして店員さんもいない。


 営業してないのかと思ったけど、入り口近くに券売機のようなものがあった。

 いや、これは券売機ではなく自販機か。


 お汁粉が湧いてたりする世界だからね。

 特に問題もないだろう。


 カレーもラーメンもうどんもある。

 さっきからいろいろ食べててお腹が空いてるわけではないので、ここは冷たい甘味にしようか。


「イチゴさん、なにか食べるんですか?」

「え?」


 自販機前で品定めをしていた私にユーノさんが聞いてくる。

 そういえばただ休憩しに来ただけだったか。


 いや~、でもね、さっきからユーノさんの果実が目の前で揺れてるわけですよ。

 食べたくなるわけですよ。


 でもそういうわけにもいかないので、私は代わりに食べられるものを探してるわけですよ。


「イチゴ白玉ぜんざいにします」

「しますって……、食べるんですね」


 ユーノさんがちょっと苦笑いした。


「私も食べる~、イチゴ白玉~」

「では私も」


 結局ふたりも食べるんだ。

 私はまとめて3人分を注文して決済する。


 それを見てユーノさんが慌てて自分のカードを取り出す。

 女神様もそのカード持ってるんだ……。


「お金払いますよ」

「いえいえ、いいんですよ」


 ここで改めて決め顔をする。


「ふたりからはいろんなものをいただいてますから、ここはごちそうさせてください」

「いいんですか、ではお言葉に甘えさせてもらいますね」

「お姉ちゃん、ありがと~」


 ミュウちゃんの水着姿もユーノさんの生パイも堪能しちゃってるからね。

 イチゴ白玉では返しきれない価値があるよ。


 しかもこれからこの白玉でイケナイ妄想をしちゃうのにさ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ