え、イチゴさん死んだの?
「あの実は私、この世界の人間じゃないんです……」
「……」
どうだろう、反応がない?
と思ったらユキちゃんが急にニコッと笑った。
「ああ、女神様に連れてこられたんですね」
「え? ユキ、なにそれ」
どうやらユキちゃんはなにか知ってるらしい。
「この街の近くに湖あるでしょ?」
「うんうん」
あれやっぱり湖だったのか、大きいから海かと思ってた。
「そこにユーノっていう女神様が住んでるんだけどね」
「あ、そう! 私が目を覚ました時にその人がいたんですよ!」
「やっぱりですか」
あの人あそこに住んでるのか。
かわいい人だったし、もう一度会いに行きたいなぁ。
急に消えちゃうんだもんな。
「その女神様が別の世界で亡くなった人をこの世界に連れてきてるって話だよ」
「それ本当なの?」
「今までは信じてなかったけど、実際に目の前に連れてこられた人が……」
「え、イチゴさん死んだの?」
ふたりが同時に私を見る。
そっか、私、本当に死んじゃったんだ。
眠りについて、夢を見てるだけだと思ったのに……。
「私、死んじゃったんですね……」
「イチゴさん……」
モモちゃんが悲しそうな表情をする。
でもまぁ、ここは素晴らしい世界だ。
景色はきれいだし、魔法も使えるし、かわいい女の子もたくさん見かけた。
言ってみれば天国じゃないか?
そうだよ、あんなクソみたいな世界をさよならできて、こんな素晴らしい世界に来られたんだ。
何も悲しむことはないな。
私はこの世界で幸せを手に入れるぞ!
「くははは!」
「イチゴさんが壊れたー!?」
よし、まずは目の前の幸せを掴んでみようか。
「うぉ~! モモちゃ~ん、おっぱい揉ませて~!!」
「はいぃぃ……、ぇぇぇえええええ!?」
「今、はいって言いましたね~!」
無理矢理了承を得たことにして、モモちゃんの胸を後ろからもみ倒す。
「きゃ~!!」
「はははは!」
「も、モモちゃ~ん……」
ひとまず満足いくまで揉みまくり、力尽きたモモちゃんを座らせる。
そして次はユキちゃんだ。
私は彼女の方に顔を向けて、ニヤッとした笑顔を見せる。
「ひ、ひぃ~……」
ユキちゃんが後退りしていく。
しかしすぐ後ろに壁があり、逃げ場を失う。
私はユキちゃんをギリギリまで追い詰め、壁ドン状態になる。
「あわあわ……」
少し涙目になっているユキちゃんのあごを右手でくいっと持ち上げ、顔を近づける。
「ねえ、キスしてもいい?」
「え? ええ?」
怯えていたユキちゃんの表情が、ぽかんとしたものに変わる。
「そんなのダメ……、逃げて」
後ろからモモちゃんの声が聞こえる。
しかし聞こえないふりをして、ユキちゃんの右耳のそばまで顔を寄せる。
「いただきます……」
私はユキちゃんの右頬にちゅっとキスをした。
「ひゃうぅぅ~……」
その瞬間、またも顔を赤くして床に倒れ込んだ。
それを見て私は冷静さを取り戻した。
あ、まずい事をした。
急いでモモちゃんが使っていた水筒を手に取り、中に残っていた冷たい水をかける。
「はう~」
どうやらひとまずは落ち着いたようだった。
あ、また下着が透けてる。
眼福眼福。




