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91 虫の声
寝ろうとしたら窓辺で虫の鳴き声がしていた。
網戸にでもとまっているらしく、名前までわからないが、リーンリーンとなんとも涼しげな声で鳴く。
なんだか、すごく得をした気分になった。
「おーい、ちょっと来てみろ」
妻にも聞かせようと呼び寄せる。
「ほら、虫の声がするやろ」
「そんなことで、いちいち呼ばんでくれん」
「なんか得した気分にならんか?」
妻いわく。
「ぜんぜん。あんたのうちを呼ぶ声を聞くと、なんかすごく損した気分になるんやけど」
寝ろうとしたら窓辺で虫の鳴き声がしていた。
網戸にでもとまっているらしく、名前までわからないが、リーンリーンとなんとも涼しげな声で鳴く。
なんだか、すごく得をした気分になった。
「おーい、ちょっと来てみろ」
妻にも聞かせようと呼び寄せる。
「ほら、虫の声がするやろ」
「そんなことで、いちいち呼ばんでくれん」
「なんか得した気分にならんか?」
妻いわく。
「ぜんぜん。あんたのうちを呼ぶ声を聞くと、なんかすごく損した気分になるんやけど」
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