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愛妻語録  作者: keikato
67/724

67 見習わんと

 洗面所で妻の叫び声がする。

 いそいでかけつけてみると、妻が洗面台の上をのぞきこんでいた。

「そんな声を出して、どうしたんや?」

「ナメクジがいるのよ。どこから入ってきたんやろうね?」

「窓は閉めたままやし、たぶんそこの排水口からやろうな」

「気持ち悪いわ」

 顔をしかめつつも、妻がティッシュを器用に使ってナメクジの退治をする。

「小さい体で、よく這い上がってきたもんやな。根性のあるヤツや」


 妻いわく。

「少しは、あんたも見習わんとね」



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