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63 命のロウソク
ここ数年。
葬儀に参列することが増えた。
親の世代である昭和一桁生まれが寿命を迎えているのだ。
「世代交代なんや。みんな、孫たちの成人を見届ける頃になったもんな」
「そうやね」
妻も深くうなずく。
「うちも孫ができたんで、次はオレの番やろうな」
「そんなの気にせんでいいんやないの?」
「いや、じきや。オレの命のロウソクが燃え尽きるんはな」
「そんなことないわよ」
「残りが三センチしかないんや」
妻いわく。
「太さは三十センチあるやないね」
ここ数年。
葬儀に参列することが増えた。
親の世代である昭和一桁生まれが寿命を迎えているのだ。
「世代交代なんや。みんな、孫たちの成人を見届ける頃になったもんな」
「そうやね」
妻も深くうなずく。
「うちも孫ができたんで、次はオレの番やろうな」
「そんなの気にせんでいいんやないの?」
「いや、じきや。オレの命のロウソクが燃え尽きるんはな」
「そんなことないわよ」
「残りが三センチしかないんや」
妻いわく。
「太さは三十センチあるやないね」
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