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愛妻語録  作者: keikato
60/724

60 桜餅

 トイレに立とうとしたとき、

「桜餅があるんやけど食べるやろ。あんたの分、とっておいたけん」

 妻が皿に桜餅一つとお茶を運んできた。

「めずらしいな」

「お店で見たら、なんか急に食べたくなってね」

「オマエ、もう食ったんか?」

「とっくにね」

「じゃあ、オレもいただこうかな」

 オレは食う前に、出すべきものを出そうとトイレに行った。

 そしてもどると、皿にあった桜餅がなぜか消えていた。

「なあ、オレの桜餅は?」


 妻いわく。

「さっさと食べんけんよ」



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