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愛妻語録  作者: keikato
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23 生きた証

 オレは書き溜めた自分の作品の製本もする。

 印刷から表紙作りまでのいっさいである。

 そうやって目に見える形にしておけば、オレが死んだあとも、この世にいつまでも生きた証として残るからだ。

 今回、仕上げた一冊を妻に見せて頼む。

「オレが先に死んだら、この本をオレやと思って大事に持っててくれよな」

「そんなに大事なものなん?」

「ああ、オレの生きた証やけんな」


 妻いわく。

「なら、あんたがずっと持っときよ。死んだら棺桶に入れてあげるけん」


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