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愛妻語録  作者: keikato
142/724

142 探しもの

 夜の十二時前。

 尿意で目を覚ましてトイレに行くと、階段の明かりがついており、二階でなにやら物音がしている。

――こんな時間になにを?

 そう思って二階に向かって声をかけた。

「おい、なにをしてるんか?」

「ちょっと探しもの」

 姿なき二階からの返事に納得し、小便をすませたところに妻が階段を降りてきた。

「見つかったんか?」

「ううん。小さなものやから、もう見つからんかもしれんね」

「で、なにを探してたんや?」


 妻いわく。

「うちの し あ わ せ」


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