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愛妻語録  作者: keikato
124/724

124 ほめるだけなら

 本編を綴っていて思うことがある。

 結婚して四十年。

 オレが愛妻と呼ぶわりに、その妻からは良き夫と言われたことがないのだ。

 本日、そのことを妻に話す。

「オマエにほめられたことがないな」

「なんね、うちにほめられたいん?」

「あたりまえやろ。旦那をほめる奥さん、世間じゃけっこうおるんやけん」

「うちもいっぺんほめてみたいんやけどね」

「なら、ほめればいいやないか。ほめるだけなら簡単やろ」


 妻いわく。

「それがね、なによりむずかしいんよね」




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