1/724
1 孫の手
背中が痒いんで愛用の孫の手を探すが、どうしても見つからない。
そこで妻に頼む。
「おい、背中をかいてくれ」
「どこらへんね?」
服の上から、妻がテキトーにかく。
「そこじゃない。手を入れて、じかにかいてくれんか?」
「イヤよ! 爪の間に変なものが入るやない」
「冷てえヤツやな」
「なら、これで自分でかきよ」
妻が鉛筆をよこす。
「こんなんでかいたら、背中が黒くなるやないか」
妻いわく。
「もういっぺんかけばいいのよ、消しゴムがついてる方でね」
背中が痒いんで愛用の孫の手を探すが、どうしても見つからない。
そこで妻に頼む。
「おい、背中をかいてくれ」
「どこらへんね?」
服の上から、妻がテキトーにかく。
「そこじゃない。手を入れて、じかにかいてくれんか?」
「イヤよ! 爪の間に変なものが入るやない」
「冷てえヤツやな」
「なら、これで自分でかきよ」
妻が鉛筆をよこす。
「こんなんでかいたら、背中が黒くなるやないか」
妻いわく。
「もういっぺんかけばいいのよ、消しゴムがついてる方でね」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。